Macのアップル純正「メモ」アプリのデータを、アプリ「UpNote」にインポートする方法を紹介します。
アプリ「UpNote」の公式サイトでは、アプリ「Exporter」を使用すると簡単に書かれていますが、ここではスクショも使って具体的なやり方を説明します。
概要
- (i) 大まかな作業の流れ
- (ii) アプリ「Exporter」とはどんなアプリ?
- (iii) 「マークダウン記法」とは?
- (iv) アプリ「Exporter」「UpNote」でエクスポート・インポートするときの注意点
(i) 大まかな作業の流れ
アプリ「UpNote」は複数のデータ形式のファイルをインポートする機能がありますが、アップル純正「メモ」アプリから直接インポートはできません。
そこで、アプリ「UpNote」公式サイトがサポートページで書いてある方法、アプリ「Exporter」を使います。(公式サイト該当ページ:Import from Apple Notes – UpNote User Guide)
作業の流れとしては、以下の図で表しているように、次の2段階を踏んでインポートを行います。
(ii) アプリ「Exporter」とはどんなアプリ?
アプリ「UpNote」は以下の特徴があります。
項目 | 内容 |
---|---|
アプリの概要 | アップル純正「メモ」のデータを、 マークダウン記法のファイルにエクスポートできるアプリ |
料金 | 基本機能は無料 有料版¥700円で、特定のフォルダのみエクスポートが可能になる |
入手先 | Mac App Store |
対象macOSバージョン | macOS Catalina 10.15以上 AppleシリコンMac・インテルMacの両対応 |
無料版と有料版がありますが、基本的には無料版で十分です。
ただし、ひんぱんに使用する必要がある場合は、有料版を購入した方が時間の節約になるので、検討しても良いでしょう。
このページの説明は、無料版を使っています。
(iii) 「マークダウン記法」とは?
「マークダウン記法」とは、IT業界標準の文書作成ルールの一つです。
まずは、実際に「マークダウン記法」で記載された文書と、対応アプリで表示された画面を見てみましょう。
【マークダウン記法】 | → | 【対応アプリで表示】 |
上記の【マークダウン記法】の方には、タグ「#」や「##」が表示されていますが、【対応アプリ】では「見出しH1」や「見出しH2」に変換されて表示されています。
タグには、「見出し」以外にも「箇条書き」や「強調表示」など、いくつかの種類があります。
また、「マークダウン記法」では「見出しタグ(H1〜H6など)」を柱にして文書を作成すると、箇条書きのような構造的でわかりやすい文章が作成しやすくなるというメリットがあります。
その他には、以下のようなメリットもあります。
- 特定のアプリに依存せず汎用性が高い
- 簡単なメモ帳アプリでも作成可能
- 文字のサイズを変えたりマーカーで色をつけることも可能
- 画像や動画を埋め込んだり表の挿入も可能
(iv) アプリ「Exporter」「UpNote」でエクスポート・インポートするときの注意点
以下の2点について注意が必要がです。
- マークダウン形式ファイルのエクスポート・インポートに失敗するメモがある
- マークダウン形式ファイルはエクスポート・インポートできても、添付の画像やPDFファイルなどが欠落するメモがある
上記のようにエクスポート・インポートに失敗したメモは、手動で直す必要があります。
以下の図は、エクスポート・インポート時に欠落したPDFファイルの例です。
【アップル純正「メモ」アプリ】 | → | 【アプリ「UpNote」】 |
以上のような注意点を踏まえて、メインのメモアプリを「UpNote」に移行した後でも、いつもでアップル純正「メモ」アプリを参照できるように残しておくか、今後の使用するデータのみ移行するなど、運用を工夫するようにしてください。
① マークダウン記法ファイルのエクスポート:アプリ「Exporter」を使用
ここではアプリ「Exporter」を使って、アップル純正「メモ」アプリからマークダウン記法ファイルをエクスポートします。
- (i) エクスポート用の作業フォルダの作成
- (ii) アプリ「Exporter」のインストール
- (iii) マークダウン記法ファイルのエクスポート
いきなり(ii) (iii)のステップでエクスポートを行うこともできますが、作業をわかりやすく間違えないようにするために、(i)のステップで作業フォルダを作成しています。
(i) エクスポート用の作業フォルダの作成
▶︎ MacのFinderを表示して、エクスポート用の作業フォルダを作成します。
このフォルダは、この後でアプリ「Exporter」で作成するエクスポートファイルの保存先となります。
フォルダの場所は自分でわかりやすい所であれば、「デスクトップ」でも「ダウンロード」でも、どこでも構いません。
また、フォルダの名前も自分でわかりやすいものであればOKです。
以下の図では、例として「デスクトップ」に「ノートのエクスポート-20231222」としています。
▶︎ (i)のステップで行う作業は以上です。
(ii) アプリ「Exporter」のインストール
▶︎ 以下のリンクをクリックして、Mac App Storeのアプリのダウンロード画面にアクセスします。
▶︎ アプリの画面が表示されたら、インストールを行います。
(iii) マークダウン記法ファイルのエクスポート
▶︎ アプリ「Exporter」を起動します。
▶︎ アプリ「Exporter」が起動すると、純正「メモ」アプリに含まれるノート数が表示されます。
以下の図では、1,919個のノート数が含まれていることがわかります。
▶︎ 純正「ノート」アプリのデータをエクスポートするので、真ん中の矢印ボタンをクリックします。
▶︎ 図のようにデータ保存の操作画面が表示されたら、あらかじめ作成しておいた「エクスポート用の作業フォルダ」を指定してから、ボタン「Export Here」をクリックします。
▶︎ エクスポートが始まると、図のように進捗状況が表示されるので、完了するまで待ちます。
完了まではノートの数によっては数十分以上かかるので、他の作業を行なっていてもOKです。
▶︎ 1時間ほどかかってエクスポートが完了しました。
▶︎ エクスポート先のフォルダを見ると、赤いアイコンの「Failed Exports」が目立ちます。
これは、「マークダウン記法」ファイルでエクスポートに失敗したノートで、「HTML形式」で保存されています。
それとは別に、通常のMacのFinderで使われているアイコン、以下の図では「iCloud」の方は、「マークダウン記法」ファイルのエクスポートに成功したノートです。
この後、エクスポート成功のファイルをアプリ「UpNote」にインポートする方法を説明します。
エクスポート失敗したファイルについては、手作業でノートを作成する必要があります。
項目 | ファイル形式 | アプリ「UpNote」へのインポート | ||
---|---|---|---|---|
○エクスポート成功 | マークダウン記法 | => | 普通にインポート可能 | |
❌エクスポート失敗 | HTML形式 | 手作業でノートを作成 |
エクスポート失敗したファイルはHTML形式なので、ダブルクリックするとSafariやGoogle ChromeなどのWebブラウザで表示できます。
試しに、以下のHTMLファイルを開いてみます。
図のように内容は表示できるので、アプリ「UpNote」に手作業でノートを作成して、コピーアンドペーストなどしてください。
② マークダウン記法ファイルのインポート:アプリ「UpNote」を使用
ファイルのインポートは、アプリ「UpNote」の標準機能を使って行います。
ここでは次の2つのステップに分けて説明します。
- (i) マークダウン記法ファイルのインポート
- (ii) インポートしたデータを、専用のノートブックを作成して、その下に移動させる
必ず行う作業は(i)のみです。
(ii)は、以下の図のように「インポートしたノート」用に専用のノートブックを作成しています。
なぜ専用のノートブックを作っているかというと、後々でインポートしたノートであることがわかるようにするためです。
ということで、この(ii)のステップの作業は、必要性を感じた人だけが行うようにしてください。
データのインポート方法ですが、一度に全体を取り込むのではなく、適当なフォルダの単位ごとに行うことをおすすめします。
その理由ですが、インポート中に画像やPDFなどのデータを読み込む場所を何度か聞かれるので、適当なフォルダ単位の方が作業がしやすいからです。
では、具体的にインポートしてみます。
(i) マークダウン記法ファイルのインポート
▶︎ Finderでエクスポート成功したフォルダの内訳を見て、どのフォルダ単位でインポートするかの方針を決めます。
以下の例では、エクスポート成功した「iCloud」フォルダの中に、全部で17個のフォルダがあったので、それぞれを個別にインポートすることにします。
▶︎ アプリ「UpNote」を前面に表示して、メニューバーから「File」->「ノートをインポート」->「Markdown」を選択します。
▶︎ 図のように「Markdownからインポート」の画面が表示されたら、文字「.mdファイルを選択します/フォルダ…」をクリックします。
▶︎ 図のようにファイル/フォルダ選択画面が表示されたら、ここではフォルダ「ツーリング」を選択してから、右下のボタン「開く」をクリックします。
▶︎ 図のように「Markdownからインポート」の画面に戻ったら、オプション項目を必要に応じて変更します。
ここではデフォルトのままにしておいて、ボタン「ノートをインポート」をクリックします。
▶︎ インポートが始まってすぐに、以下の図のようなファイル/フォルダを開く操作画面が表示されました。
これは何かというと、アプリ「UpNote」が画像やPDFファイルなどを読み込むときのアクセス許可です。
表示されたら、ボタン「開く」をクリックします。
このような画面はインポート中に何度も表示されるので、その度に同じ操作、ボタン「開く」をクリックします。
▶︎ Markdownファイルのインポート中は、アプリ「UpNote」のサイドバーに自動的にノートブックが追加されます。
ノートブックは、フォルダを元に作成されています。
▶︎ 図のようにインポート完了の画面が表示されたら、ボタン「OK」をクリックします。
▶︎ 純正「メモ」アプリからインポートしたノートは、アプリ「UpNote」で新規作成したノートと混在して、サイドバーの見出し「ノートブック」に表示されます。
(ii) インポートしたデータ専用のノートブックの下に仕分ける
▶︎ インポートしたノートを区別する方法としては、タグを付ける方法もありますが、ここでは「インポートしたノート」というノートブックの直下に仕分けてみたいと思います。
まずは、新規ノートブック「インポートしたノート」を作成します。
アプリ「UpNote」の見出し「ノートブック」の右横にある+のアイコンをクリックします。
▶︎ 図のように、「新しいノートブックを作成」が表示されたら、以下の項目を設定します。
設定したら、右下のボタン「新規」をクリックします。
項目 | 設定内容 |
---|---|
名 | インポートしたノート (好みに応じて変更OK) |
場所 | ノートブック |
ロック | デフォルトのオフのまま |
ブックカバー | 好みに応じて設定 |
▶︎ 新しいノートブックが作成されたら、これの直下にインポートしたノートブックを移動させます。
移動させるノートブックをクリックして指定して、右に表示される…のアイコンをクリックするとメニュー項目が表示されます。
表示されたら、項目「編集」をクリックします。
▶︎ 図のように「ノートブックを編集」が表示されたら、名称のすぐ下にある場所の設定部分を変更します。
以下の画面では、先に作成した「インポートしたノート」に変更してみます。
▶︎ 場所の変更後は、右下のボタン「更新」をクリックします。
▶︎ 図のように変更できたら、作業完了です。
まとめ
この記事では、アップル純正「メモ」アプリのデータを、Macのアプリ「UpNote」にインポートする手順を紹介しました。
データをインポートしてからの個人的な感想ですが、今まではMac/iPhone/iPadでしか「メモ」アプリを使えなかったのが、WindowsでもAndroidでもメモを書いたり、Webクリップできるようになったのが大変便利です。
ということで、アップル純正「メモ」アプリから、アプリ「UpNote」への移行をおすすめします。
アプリ「UpNote」を初めて使う方は、以下の記事でおすすめポイントを読んでください。
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個人的な話ですが、アプリ「UpNote」を使うようになってから、外出先でブログの下書きをすることが多くなりました。
ちょっとしたスキマ時間にiPad miniを取り出して、ちょこちょこと加筆・修正をしています。
今持っているiPad miniはWi-Fi版なのですが、ちょっと高くてもセルラー版にしておけばよかったな、と思っています。(電波状況を気にしなくても良いため)
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