Macの標準アプリ「アーカイブユーティリティ」について詳しく説明します。
アプリがどこにあるのか、アプリの特徴・設定・使い方から、エラーが出た時の対処法まで紹介します。
Mac標準の「アーカイブユーティリティ」については、標準アプリがゆえに詳しく解説したサイトがあまり見当たらず、あっても古い情報の場合が多いです。
このページでは、macOS 11 Big Sur以降の新しいアーカイブ形式「AAR(Appleアーカイブ)」「AEA(Apple暗号化アーカイブ)」にも対応した説明になっています。
① アプリの特徴
(1) アプリの概要
アプリ「アーカイブユーティリティ」は、アーカイブの圧縮・展開ができる、Mac標準添付のアプリです。
最初にリリースされたのは、2007年のMac OS X 10.5 Leopardです。
その時から15年ほど経っていますが、基本的に操作方法は変わっていません。
変更点は、2020年リリースのmacOS 11 Big Surで、新しいアーカイブ形式「AAR」「AEA」に対応したことぐらいです。
アプリ「アーカイブユーティリティ」の前には、Macには次のアーカイブアプリが標準添付されていました。
- Mac OS X 10.3 Panther 〜 10.4 Tiger
- アプリ「BOM ArchiveHelper」
- OS 7.6 〜 Mac OS X 10.2 Jaguar
- アプリ「Stuffit Expander」
(2) アプリのメリット・デメリット
メリット
- Mac標準アプリなので、インストールの手間がない
- MacのFinderから気軽に呼び出せる
- Dockにドラッグ&ドロップで、個別のアーカイブが作成できる(詳細は右リンク先 => (2) Dockに登録したアプリアイコンにドラッグ&ドロップ)
デメリット
- アーカイブの対応形式が少ない
- Mac以外のユーザには不要なフォルダ「__MACOSX」「.DS_Store」が紛れ込む(対処法は右リンク先 => MacでWindows用に「_MACOSX」や文字化け無しで圧縮Zip作成)
アプリ「アーカイブユーティリティ」のデメリットを補う方法として、他のアーカイブアプリを使う方法があります。
② アプリの場所
アプリ「アーカイブユーティリティ」は、通常のアプリが保存されているフォルダ「アプリケーション」の中にはありません。
macOSのバージョンによって、以下の場所に保存されています。
OS X 10.10 Yosemite以降
/System/Library/CoreServices/Applications/
Mac OS X 10.5 Leopard 〜 OS X 10.9 Mavericks
/System/Library/CoreServices/
アプリ「アーカイブユーティリティ」をFinderで表示するには、Finderで上記のパスのフォルダを順番に降りていく方法があります。
別の方法は、Finderの「移動」機能を使います。
やり方は、上記のパスをコピーしてから、Finderのメニューバーから「移動」 -> 「フォルダへ移動…」で表示された画面にペーストし、キーボードのreturnを押下します。
③ アプリの設定
アプリ「アーカイブユーティリティ」の設定を行うには、アプリを起動する必要があります。
ただし、アプリ起動直後は何も表示されないので、設定画面を呼び出す必要もあります。
▶︎ アプリ「アーカイブユーティリティ」を起動します。
▶︎ アプリ起動直後は何も表示されていません。
ここで設定画面を呼ぶには、メニューバーで「アーカイブユーティリティ」 -> 「設定…」を選択します。
▶︎ 図のように設定画面が表示されたら、お好みに応じて設定を変更します。
①〜④が展開の設定、⑤〜⑧が圧縮の設定です。
詳細は、図の後で説明します。
展開の設定
No | 項目 | 設定内容 |
---|---|---|
① | 展開したファイルの保存場所 | 以下から選択
|
② | 展開後 | 以下から選択
|
③ | 展開した項目をFinderに表示 | チェックを入れると、展開後にFinderで選択状態で表示される |
④ | 展開を続行(可能な場合) | チェックを入れると、アーカイブ内にアーカイブが含まれる場合、それらも展開する |
圧縮の設定
「⑥ アーカイブのフォーマット」については、表の後で補足説明があります。
No | 項目 | 設定内容 |
---|---|---|
⑤ | アーカイブの保存場所 | 以下から選択
|
⑥ | アーカイブのフォーマット | 以下から選択
|
⑦ | アーカイブ後 | 以下から選択
|
⑧ | アーカイブをFinderに表示 | チェックを入れると、圧縮後にFinderで選択状態で表示される |
補足説明:「⑥ アーカイブのフォーマット」について
ここでは5種類のアーカイブのフォーマットが選択できますが、次のような特徴があります。
通常使う限りでは「Zipアーカイブ」のみを使うようにすれば良く、他のフォーマットは敢えて何かの使用目的がある場合に限られます。
アーカイブのフォーマット | 拡張子 | 説明 |
---|---|---|
圧縮アーカイブ | cpgz | Linux/Unixでよく使われるフォーマット。 |
通常のアーカイブ | cpio | Linux/Unixでよく使われるフォーマット。 |
Zipアーカイブ | zip | Mac/Windows/Linuxで広く使われる、標準のフォーマット。 |
Appleアーカイブ | aar | macOS 11 Big Sur以降で使用可能。パスワードなし。 |
Apple暗号化アーカイブ | aea | macOS 11 Big Sur以降で使用可能。パスワードあり。 |
④ アプリの使い方
アプリ「アーカイブユーティリティ」を使ってアーカイブを展開・圧縮する方法は、以下のように複数あります。
状況に応じて使い分けるようにしてください。
(1)の方法は、Finderでファイル・フォルダを右クリックして展開・圧縮しますが、Macユーザが普段何気なく使っている、お馴染みの方法です。
また、複数のアイテムからアーカイブを圧縮(作成)する場合は、それぞれ動きが異なるので、注意が必要です。(詳しくは以下の表を参照)
方法 | 展開 | 圧縮 | 複数のファイル・フォルダを圧縮した場合の動作 |
---|---|---|---|
(1) Finder右クリックメニューから展開・圧縮 | ○ | ○ | まとめて1つのアーカイブが作成される |
(2) Dockに登録したアプリアイコンにドラッグ&ドロップ | ○ | ○ | 個別のアーカイブが作成される |
(3) アプリメニューから展開・圧縮 | ○ | ○ | そもそも複数の選択ができない |
以下に、(1)から(3)の操作画面のスクショを掲載するので、大まかな作業イメージをつかんでください。
そのあとで、それぞれの操作方法の説明となります。
(1) Finder右クリック
▶︎ MacのFinderで、圧縮したいファイル・フォルダを選択、または展開したいアーカイブを選択して、右クリックメニューを表示します。
通常のファイル・フォルダで右クリックメニューを表示した場合は、項目「圧縮」を選ぶとアーカイブが作成されます。
一方、アーカイブで右クリックメニューを表示した場合は、項目「開く」を選択します。
▶︎ Finderで右クリックの説明は、以上です。
(2) Dockに登録したアプリアイコンにドラッグ&ドロップ
▶︎ 図のように、MacのDocに予めアプリ「アーカイブユーティリティ」を登録しておきます。
▶︎ Dockの「アーカイブユーティリティ」のアイコンに、圧縮したいファイル・フォルダか、展開したいアーカイブをドラッグ&ドロップします。
圧縮の場合は、複数のアイテムがある場合は個別にアーカイブが作成されます。
▶︎ 以下の図は、2つのアイテムを圧縮した結果で、2つのアーカイブが作成されています。
▶︎ Dockにドラッグ&ドロップの説明は、以上です。
(3) アプリメニューから展開・圧縮
▶︎ アプリ「アーカイブユーティリティ」を起動します。
▶︎ アプリ起動直後は何も表示されていません。
ここで、メニューバーで「ファイル」 -> 「アーカイブを作成…」または「アーカイブを展開…」を選択します。
ここではサンプルとして、「アーカイブを作成…」を選択してみます。
▶︎ ここでファイルまたはフォルダを選択しますが、1つだけしか選べないところに注意です。
選択したら、ボタン「アーカイブ」をクリックします。
▶︎ 以下の図は、1つのアイテムを圧縮した結果で、1つのアーカイブが作成されています。
▶︎ アプリメニューから圧縮・展開の説明は、以上です。
⑤ エラーが出た時の対処法
アプリ「アーカイブユーティリティ」を使うと、以下のようなエラーが出る場合があります。
- エラー1 – その操作は許可されていません。
- エラー2 – ファイルまたはディレクトリがありません。
- エラー22 – 引数が無効です。
- エラー79 – ファイルタイプまたはフォーマットが不適切です。対応していないフォーマットです。
エラーの原因は以下が考えられます。
- アーカイブが壊れている
- ファイル名・フォルダ名の文字コードでエラーが起きている(日本語・中国語・ドイツ語など英語以外で起きる可能性が高い)
- アーカイブ形式が対応していない
よって、対処法としては以下を順番に試してみてください。
- アーカイブの再ダウンロードなど再入手してみる
- 他のアーカイブアプリを試してみる(具体的なアプリは、この後の【まとめ】で説明しています。)
まとめ
Macの標準アプリ「アーカイブユーティリティ」について詳しく説明しました。
当サイトでは、標準アーカイブ以外にもアーカイブアプリの紹介をしています。
① 【The Unarchiver】アーカイブ展開専門、ほぼ全てのアーカイブ形式に対応で、シンプルで使いやすい
② 【Keka】アーカイブの圧縮・展開が可能、無料で使いやすい
③ 【BetterZip】アーカイブの圧縮・展開が可能、アーカイブのプレビュー可能、RAR圧縮も可能で多機能
コメント