Macで、「UUP dump」というサイトからスクリプトを入手して、WindowsのISOファイルを作成する手順を紹介します。
スクリプトを実行する前の環境構築に何段階か事前準備があり手間がかかるのですが、その辺りも詳しく説明します。
更新履歴 2022/8/19
AppleシリコンMacでのエラーの対処法を追加しました。
UUP dumpとは何か
UUP dumpとは、マイクロソフトのアップデート配信用データを受信して、Windowsインストール用のISOファイルを作成するためのスクリプト(プログラム)を公開しているサイトです。
以下、メリット・デメリットを挙げます。
- メリット
- マイクロソフトが公開終了した古いWindowsのバージョンも入手可能
- そもそも公開していないARM版(AppleシリコンMacで実行可能)のISOも入手可能
- スクリプトは、Mac/Windows/Linux上で実行可能
- デメリット
- スクリプトを実行するための環境構築に手間がかかる
- 入手したISOで、必ずしもWindowsのインストールに成功するとは限らない
また、このページの構成は、事前準備から始まり、ISOファイルを作成完了するまでの流れになっています。
大きく分けて、次のような構成になっています。
注意が必要なのは③の部分で、スクリプトを実行してエラーが出たら、エラーに書かれた内容に従ってコマンドを実行する、といった作業が発生します。
このページで書いてあるのはあくまでも一例であり、各個人が操作すると違うエラーが出る場合があります。
そのときは、エラー内容を読解したり、Google検索などで対処法を自分で探す、といった対応が必要になります。
① 事前準備(Homebrewのインストール)
詳しくは後の作業手順のところで説明しますが、MacでWindowsのISOを作るスクリプトは、複数のアプリをインストールする必要があります。
その前提として、「Homebrew」があらかじめインストールされている必要があります。
インストールの手順については、以下の記事で紹介しているので、それをもとにして「Homebrew」をインストールしてください。
Macではデフォルトの状態では「Homebrew」は入っていないので、ユーザ本人か誰かがインストールしないと入っていません。
ちなみに、使っているMacに「Homebrew」がインストールされているかどうかは、アプリ「ターミナル」で以下のコマンドを実行して確認できます。
brew -v
実行結果は、次のようになります。
② UUP dumpからスクリプトのダウンロード
▶︎ 以下のリンクをクリックして、UUP dumpの公式サイトを開きます。
▶︎ サイトが開いたら、ダウンロードするスクリプトのタイトルを探してクリックします。
ここでは、2022年8月17日時点で、実際にM1 Macで仮想環境アプリ「VMware Fusion」でインストールできた次のバージョンを紹介します。
以下のリンクをクリックすると、それぞれのダウンロード用ページにジャンプできます。
- WIndows 11
- Windows 10

ここから先は、Windows 11でISOを作る手順を説明します。
▶︎ 「言語」が既に「日本語」になっていますが、必要に応じて変更してから、ボタン「次へ」をクリックします。
▶︎ 「エディション」がHomeとProと2つ選択されていますが、必要なものだけにすると容量の節約になるので、お好みに応じて変更してから、ボタン「次へ」をクリックします。
▶︎ 「ダウンロードオプションの選択」の画面になったら、基本的にはそのままの状態で、ボタン「ダウンロードパッケージを作成」をクリックします。
▶︎ ファイル保存の画面が表示されたら、フォルダ「ダウンロード」など適当な場所を指定して、ボタン「保存」をクリックします。

▶︎ ファイルがダウンロードできたら、ZIP形式で圧縮されているので、ダブルクリックして展開(解凍)します。
展開すると、複数のファイルやフォルダを含むフォルダが作成されます。
次の章では、このデータを使ってWindowsのISOファイルを作成します。
③ スクリプトでWindowsのISOファイルを作る
▶︎ MacのFinderを前面に表示して、フォルダ「アプリケーション」→「ユーティリティ」の中にある、アプリ「ターミナル」をダブルクリックして実行します。

▶︎ アプリ「ターミナル」が起動したら、最初に以下のコマンドを入力します。
このコマンドの意味は、指定したフォルダ(ディレクトリ)へ移動します。
「cd」の後ろには、半角スペース一つを入力します。
cd
そして、その後ろに前の章で展開(解凍)して作成されたフォルダをドラッグ&ドロップします。

このフォルダへの移動は必ず行ってください。
そうしないと、スクリプトを実行しても、うまく動きません!

具体的には、ファイルのダウンロードでスクリプトが終わって、ISO作成まで進まないんだ。
以下は、具体的にフォルダの移動の操作を行っている画面です。
▶︎ 図のようにコマンドが作成できたら、キーボードのreturnを押して実行します。
▶︎ 次に、以下のコマンドを入力します。
このコマンドの意味は、対象のスクリプトを実行できる権限を付与します。
「+x」の後ろには、半角スペース一つを入力します。
chmod +x
そして、その後ろにZIPファイルを展開(解凍)して作成さらたフォルダの中にあるファイル、「uup_download_macos.sh」をドラッグ&ドロップします。
▶︎ 図のようにコマンドが作成できたら、キーボードのreturnを押して実行します。
▶︎ 実行完了したら、今度は頭にchmodなどは付けずに、再びスクリプトをドラッグ&ドロップします。
▶︎ 図のようにコマンドが作成できたら、キーボードのreturnを押して実行します。
▶︎ コマンドの実行結果で、必要な処理が書かれているので、その指示に従います。
以下の図ではカッコで囲んだ2行のコマンドを実行するように、と書かれています。
おそらく、他のMacでもこの2行が書かれているはずです。
brew tap sidneys/homebrew
brew install aria2 cabextract wimlib cdrtools sidneys/homebrew/chntpw
▶︎ ということで、先ほど書かれていたコマンドを1行ずつコピー&ペーストして実行します。
まず、次の1行目をコピー&ペーストして、キーボードのreturnキーを押して実行します。
brew tap sidneys/homebrew
▶︎ 図のように、コマンドプロンプトが表示されたら、コマンド実行完了です。
完了までは、数分〜15分ほどかかります。
▶︎ 続いて、次の2行目のコマンドをコピー&ペーストして、キーボードのreturnキーを押して実行します。
brew install aria2 cabextract wimlib cdrtools sidneys/homebrew/chntpw
▶︎ 図のように、コマンドプロンプトが表示されたら、コマンド実行完了です。
完了までは、数分〜15分ほどかかります。
ここから後の各種のエラーは、よく起きるであろうエラーの対処法を記載しています。
ただし、使っているMacによって異なる可能性があります。
よって、一応最後まで読み進めてもらって、こことは異なるエラーが出た場合は、エラーメッセージを読解するなり、Google検索で対処法を自力で探してください。
一応最後まで読み進めてもらって、こことは異なるエラーが出た場合は、エラーメッセージを読解するなり、Google検索で対処法を自力で探してください。
今回はカッコで囲んだようにエラーが表示されているので、ここからはエラーの対処をします。
▶︎ 今回はフォルダへの書き込み権限がないというエラーなので、次のコマンドを入力します。
sudo chown -R (ユーザ名) /usr/local/share/man/man8
今回はユーザ名が「yamafd」なので、実際に入力するコマンドは次のようになります。
sudo chown -R yamafd /usr/local/share/man/man8
コマンドを入力したら、キーボードのreturnキーを押して実行します。
▶︎ 実行完了したら、続いて次のコマンドを入力します。
chmod u+w /usr/local/share/man/man8
コマンドを入力したら、キーボードのreturnキーを押して実行します。
▶︎ 実行完了したら、先ほどエラーになったコマンドを再度コピー&ペーストして、キーボードのreturnキーを押して実行します。
brew install aria2 cabextract wimlib cdrtools sidneys/homebrew/chntpw
▶︎ またもエラーが出てしまいました。
エラー内容の最後に参照すべきページのURLが書かれているので、そのページを開いてみます。
https://github.com/sidneys/homebrew-homebrew/issues/2
▶︎ サイトを開くと、以下のコマンドを実行するように書かれているので、1行ずつ順番にコピー&ペーストして実行します。
curl -LO https://gist.github.com/minacle/e9dedb8c17025a23a453f8f30eced3da/raw/908b944b3fe2e9f348fbe8b8800daebd87b5966c/openssl@1.0.rb
curl -LO https://gist.github.com/minacle/e9dedb8c17025a23a453f8f30eced3da/raw/908b944b3fe2e9f348fbe8b8800daebd87b5966c/chntpw.rb
brew install --formula --build-from-source ./openssl@1.0.rb
brew install --formula --build-from-source ./chntpw.rb
rm ./openssl@1.0.rb ./chntpw.rb
▶︎ 実行完了したら、先ほどエラーになったコマンドを再度コピー&ペーストして、キーボードのreturnキーを押して実行します。
brew install aria2 cabextract wimlib cdrtools sidneys/homebrew/chntpw
▶︎ 実行完了したら、再びスクリプトをドラッグ&ドロップします。
▶︎ 図のようにコマンドが追加されたら、キーボードのreturnを押して実行します。
▶︎ やっと、図のようにスクリプトがエラーなく実行されるようになりました。
完了するまで数十分かかるので、他の作業するなどして待ちます。
▶︎ コマンドプロンプトが表示されると、スクリプトが完了してISOファイルが作成されています。
ISOファイルの作成は以上です。
エラー対処法
AppleシリコンMacで「Error: Cannot install in Homebrew on ARM processor in Intel default prefix (/usr/local)!」というエラーが出た時の対処法
M1やM2のAppleシリコンMacを使って、以下のコマンド①を実行したとします。
コマンド①
brew install aria2 cabextract wimlib cdrtools sidneys/homebrew/chntpw
そうすると、以下のようなエラー①が出る場合があります。
エラー①
Error: Cannot install in Homebrew on ARM processor in Intel default prefix (/usr/local)!
この場合は、以下の画面のスクリーンショットの「参考ページ」のURLに対処法が書かれているので見てみます。
「参考ページ」に書かれている、以下のコマンド②と③をコピー&ペーストで「ターミナル」に貼り付けて実行します。
なお、コマンド③は三行ありますが、一行ずつコピペして実行してください。
三行まとめてコピペして実行もできますが、エラーが起きたときにどこが問題かわかりにくくなるためです。
コマンド②
mkdir homebrew && curl -L https://github.com/Homebrew/brew/tarball/master | tar xz --strip 1 -C homebrew
コマンド③
eval "$(homebrew/bin/brew shellenv)"
brew update --force --quiet
chmod -R go-w "$(brew --prefix)/share/zsh"
以上のコマンド②と③を実行したら、再度コマンド①を実行します。
コマンド①
brew install aria2 cabextract wimlib cdrtools sidneys/homebrew/chntpw
今度は、エラーなくコマンド①が完了しました!
まとめ
このページで書いた方法がうまくいかない場合は、別の記事で「https://uup.rg-adguard.net/」という類似のサイトで、Windows上でARM版のISOファイルをダウンロード・作成する方法を紹介しているので、そちらをご覧ください。
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