iMac (24-inch, Mid 2007)のHDDを交換したので、その時の手順を写真付きで詳しく解説します。
このあたりのモデルは、CPUがCore 2 Duo世代で、macOSも10.11 El Capitanまでなので、仕事でがっつり使い込むには厳しいです。
しかし、分解が比較的かんたんなので、ネットを見たり音楽を聞くなどセカンドマシンとして使うのはどうでしょうか?
iMac内蔵HDD交換のメリット・デメリット(リスク)
メリット
- HDDが故障しても、自分で安価に修理できる
- もともと内蔵していたHDDよりも、大容量で低発熱で騒音の少ない最近のHDDに交換できる
- SSDに交換すれば、HDDよりも動作速度が速くなり故障も少なくなる
- このページでは説明しないが、CD/DVDドライブをHDD/SSDに交換して、2ドライブ構成にできる
デメリット(リスク)
- 分解作業の難易度は低い(ネジが多いので手間はかかるが、難しくはない)
- 液晶ディスプレイを持ち上げるときに力が必要なので、できれば2人で作業をしたほうが良い
- iMac本体にある、液晶ディスプレイを吸着しておく磁石が強力なので、ネジを取り外したり取り付けるときに磁石に吸い付けられないようにする必要がある
対象のiMacのモデル(機種)
当ページで説明している方法でHDD/SSDの交換ができるiMacの機種の一覧です。
外観上の共通点は、シルバーのアルミニウムの本体です。
また、すべてインテルMacです。
発売年 | モデル(機種) | 最小OS | 最大OS |
---|---|---|---|
2007 | iMac (20-inch, Mid 2007) | 10.4.10 | 10.11.6 |
2007 | iMac (24-inch, Mid 2007) | 10.4.10 | 10.11.6 |
2008 | iMac (20-inch, Early 2008) | 10.5.2 | 10.11.6 |
2008 | iMac (24-inch, Early 2008) | 10.5.2 | 10.11.6 |
2009 | iMac (20-inch, Early 2009) | 10.5.6 | 10.11.6 |
2009 | iMac (24-inch, Early 2009) | 10.5.6 | 10.11.6 |
2009 | iMac (20-inch, Mid 2009) | 10.5.6 | 10.11.6 |
End of list |
ちなみに、外見上はiMac Late 2009 – Late 2011とよく似ていますが、ぱっと見て次の違いがあります。
iMac Mid 2007 – Mid 2009
背面が黒色
前面ガラスが画面の少し内側にはめ込まれているので、ガラスの周囲にアルミのフレームがある
iMac Late 2009 – Late 2011
背面がシルバー
前面ガラスが画面の端まで覆っているので、ガラスの周囲にはフレームはない
モデル(機種)の確認方法ですが、OS X 10.7 Lion以降ならアップルメニューの「このMacについて」から表示できます。
または、iMac本体のスタンドの真下にシリアル番号が書かれているので、それをもとに以下のサイトでモデル(機種)が検索できます。
OSの復元方法を事前に決めておく
このページで紹介している2006年Midから2009年MidまでのiMacは、すべてリカバリディスクが同梱されています。
HDDを交換した後は、リカバリディスクを使って新規インストールするか、または別途インストール用のディスクやUSBメモリを用意する必要があります。
別途インストール用のディスクとしては、OS X 10.6.3のディスクがAmazonから購入できます。
一方、OS X 10.7 Lionの場合は、インストール用のUSBメモリをアップルから購入するか、自分でインストールプログラムをダウンロードしてUSBメモリを作成します。
USBメモリは、以下のアップル公式サイトから購入できます。
さらに、USBメモリを自作する場合は、以下の記事で手順を紹介しています。
データのバックアップについて
HDD交換作業に失敗したときのために、データのバックアップを取っておくことを強く推奨します。
方法は、Mac標準機能のTimeMachineが手軽でおすすめです。
また、その他のバックアップ方法については、以下の記事から複数紹介しているのがご覧いただけます。
必要な工具
必須の工具
次の4つは、ないと作業ができないので、必須です。
- プラスドライバー
- T6トルクスドライバー
- T8トルクスドライバー
- バキュームリフター
プラスドライバーは、手持ちの普通のドライバーで良いのですが、ネジに合うサイズがわからないので、できれば2〜3種類のサイズをそろえておいてください。
T6とT8のトルクスドライバーは、おそらく持っている人が少ないと思いますが、先端が星型になっている特殊なドライバーです。
「トルクス」という名前は登録商標になっているので、「ヘックスローブ」という名前で呼ばれることもありますが、実際は同じものです。
ホームセンターやAmazonで取り扱っています。
100均にも置いてある場合があります。
T6トルクスドライバー
T8トルクスドライバー
バキュームリフター
iMacの前面のガラスパネルは、iMac本体と強力な磁石でくっついています。
ちょっとやそっとでははがれないので、吸盤を使って引っ張ります。
以下に使用している商品のアマゾンのリンクを張っていますが、使いやすいのでおすすめです。
工具ではないが、必須の道具
iMac内臓のHDDには、温度センサーが両面テープで貼り付けられています。
HDD/SSDを交換する場合は、温度センサーを貼り付けるために両面テープが必要になります。
元のHDDに貼られていた両面テープは、一旦はがすと粘着力が弱くなるので、再利用はできません。
必須ではないが、あればそろえておきたい工具
A4用紙、筆記用具、セロハンテープ
工具ではありませんが、複数の似たようなネジを何個も取り外すので、もとの場所がわかるように、A4サイズなどの適当な紙・筆記用具・セロハンテープを用意して、イラストやメモを描きながらテープ止めしておくことをおすすめします。
使用可能なHDDやSSD
交換用のHDDやSSDとしては、SATA形式の3.5インチまたは2.5インチのドライブが使えます。
HDDを使う場合は、容量が大きくコスパの良い3.5インチを選ぶ場合が多いですが、SSDはほぼほぼ2.5インチしか選択肢がありません。
2.5インチの場合は「マウンタ」という部品を取り付けて、3.5インチのドライブと似た形式にして取り付けます。
以下は、おすすめの商品です。
3.5インチHDD
2.5インチSSD
マウンタ
iMacの分解とHDDの交換の手順
ここからの説明で使っているiMacのモデルは、次の機種です。
- iMac (24-inch, Mid 2007)
他のモデルでもおおむね同じ方法でできますが、多少の違いがある点はあらかじめご了承ください。
▶︎ iMacから電源ケーブルを抜いて、背面にある電源スイッチを5-6回押します。
これは、iMacを分解したときに内部に残っている電流で感電したり、ネジを転がしたときに基盤をショートさせないためです。
▶︎ iMacを逆さにするか上向きにしてから、ディスプレイの下部にあるメモリ増設用のフタをプラスドライバーで取り外します。
▶ iMacを立たせた状態にして、バキュームリフターを前面のガラスパネルに貼り付けて引っ張って取り外します。
このガラスパネルはiMac本体といくつもの強力な磁石でくっついているので、かなり力を入れないと外れません。
コツとしては、ガラスパネルの上部の端の近くを貼り付けて、少しずつ引っ張りながら、わずかなスキマができたら指を突っ込んで再び磁石でくっつかないようにすることです。
▶ 前面のガラスパネルが取り外せたら、適当な場所に立て掛けておきます。
▶ iMacを寝かせた状態にして、図の赤い丸で囲んだところのT8トルクスのネジ、合計12本を取り外します。
ただし、場所によってネジの長さが違うので、ごちゃごちゃにならないように、A4用紙にイラストを描いてセロハンテープで留めるなどしておきます。
▶ ネジを外したのでフレームが取り外せるのですが、画面の上側からゆっくりと取り外して、上側がほぼ外れてから、下側にずらしながら下側のフレームも外します。
▶ フレームが外せたら、適当な場所に立て掛けておきます。
▶ 液晶パネルの左右にある、合計8箇所のT8トルクスのネジを外します。
▶ 液晶パネルの右下にあるコネクタをつないでいる、合計2箇所のT6トルクスのネジを外します。
T6トルクスのネジが使われているのは、この箇所だけです。
ネジを外したら、慎重に何度も左右に少しずつずらしながら、上に引っ張ると取り外せます。
▶ T6トルクスのネジが外せたら、液晶パネルの左側を支点にして右側を持ち上げると外せます。
外したパネルは適当場場所に立て掛けるか、誰かに支えてもらうと、この後の作業がやりやすいです。(もちろん、1人でもできます)
▶ iMacの内部が見えたら、このあとHDDを取り外します。
▶ HDDの取り外し方は、以下の写真で上部に写っている黒いプラスチックの部分を下に押し下げつつ、左下のコネクタ2ヶ所を外し、右下の温度センサーを取り外します。
▶ HDDが取り外せたら、両側のT8トルクスのネジと部品を取り外します。
▶ 入れ替え用のHDD/SSDに、温度センサーを取り付けるときの注意点です。
温度センサーの取り付け用にプラスチックの部品とスポンジが使われていますが、HDDには両面テープで取り付けられています。
この両面テープは一旦はがすと粘着力が弱くなるので再利用はできないので、新しく両面テープを使って留めるようにして下さい。
以下写真では、温度センサーが当たるくぼみの部分の両面テープを、ハサミでカットしています。
▶ 温度センサーの外側にくっついていたスポンジも同様に、両面テープで貼り直します。
まとめ
冒頭にも書きましたが、Mid 2007からMid 2009のiMacはCPUの性能が低く、macOSも10.11 El Capitanまでしかインストールできないので、2021年現在にメインマシンとして使うには厳しいです。
ただし、HDDの故障で起動しないなどで使っていなかったり安く手に入れられた場合は、このページを参考にしてHDDやSSDを換装して再利用してみてください。
このページの記事は、ここまでです。
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