M1 MacでWindowsアプリを使う方法の一つとして、「CrossOver」というアプリを使う方法があります。
このページではCrossOverのインストール方法と、広範囲でニーズが高いMicrosoft Officeと、CAD分野でニーズが高いJw-cadの対応状況を紹介します。
- M1 MacでWindowsアプリを動かす方法を探している人
- M1 MacでWindows版MS-OfficeやJw-cadが使えるかどうかを知りたい人
CrossOverとはどんなアプリか?
CrossOverは2007年から、MacでWindowsアプリを動かすためのアプリとしてリリースされている、歴史があるアプリです。
もともとはインテルMac向けのアプリでしたが、2021年のCrossOverバージョン20からは、アップルシリコンMac(いわゆるM1 Mac)にも対応するようになりました。
MacでWindowsアプリを動かす方法としては、有名なParallelsやVMWareのように仮想環境を作る方法が多いですが、CrossOverはレイヤー方式でWindowsアプリを動かしています。
例えるなら、仮想環境は箱庭のイメージでしょうか。
箱庭なので、箱庭の中はWindowsほぼそのもので再現度は高いのですが、Windowsアプリを使うためには一旦箱庭を起動する必要があります。
一方のレイヤー方式は箱庭を作らず、WindowsアプリとOSの間を仲介する中間アプリがあって、その中間アプリが同時翻訳しているイメージでしょうか。
CrossOverのメリット・デメリット
メリット
- WindowsのOSのライセンス不要
- 仮想環境方式よりもアプリの起動が速い
- CrossOverは2週間の試用期間があるので、その間に使いたいアプリがちゃんと動くかどうかを確認することができる
デメリット
- macOSのバージョンアップを行うと、CrossOverも最新版にバージョンアップしないと使えない
- 料金がかかる(以下、2022年10月下旬の為替レート、1ドル=148円で換算)
- サブスク版:74ドル(11,000円前後/年間)
- 買い切り版:494ドル(73,000円前後)
- 最新のWindowsアプリは対応していないものが多く、アプリの古いバージョンが必要な場合がある
- 仮想環境方式より対応していないアプリが多い
- 仮想環境方式よりアプリの安定性は劣る
- Windows APIなどWindowsを直接呼び出すプログラムは動かない
- Windowsアプリのインストール(セットアップ)時に、文字化けする場合がある
CrossOver 21をmacOS 13 Venturaで起動しようとすると、図のように「初期化に失敗しました CrossOverは重要なコンポーネントを初期化できません。」が表示されて起動することができません。
CrossOverのインストール方法
▶ 以下のリンクをクリックして、CrossOverの開発元のCodeWeavers社のサイトの、ダウンロードページを開きます。
▶ ダウンロードページが開いたら、以下の①〜④まで操作を進めます。
- ① OS:「macOS」を選択
- ② Name:適当に入れます
- ③ Email:メールアドレスを入れますが、セキュリティ上、日常的に使っている重要なメールアドレスではなく、サブで使っているようなメアド、いわゆる捨てアドがいいでしょう
- ④ DOWNLOAD TRIAL NOW:①〜③まで選択・入力できたら、このボタンをクリックします
▶ 以下のようにZIPファイルをダウンロードする画面が表示されたら、適当な保存場所、たとえば「ダウンロード」フォルダを指定して、ボタン「保存」をクリックします。
▶ ZIPファイルがダウンロード出来たら、ダブルクリックして展開(解凍)します。
▶ ZIPファイルを展開(解凍)して出来た「CrossOver」というアイコンのファイルが、インストール用のアプリです。
このアイコンをダブルクリックして実行します。
▶ ファイルを開くときに、以下のようなセキュリティの確認画面が表示されます。
表示されたら、「開く」をクリックします。
▶ 以下のように、「アプリケーションフォルダーに移動しますか?」と聞かれたら、「移動する」のボタンをクリックします。
▶ 以下のように、「CrossOver 体験版」の画面が表示されたら、「今すぐ体験版を使用する」をクリックします。
▶ 以下のように「Windowsアプリケーションをインストール」と表示されたら、CrossOverのインストールは完了です。
続けて、Windowsアプリのインストール方法の説明になります。
Windowsアプリのインストール方法
▶ CrossOverを起動して、「Windowsアプリケーションをインストール」のボタンをクリックします。
▶ 以下のように「インストールするアプリケーションを選択する」と表示されたら、矢印が指し示している部分にアプリの名前を入力します。
ここでは、定番のテキストエディタの「Mery」と「秀丸」を、それぞれ入力してみます。
▶ 入力したアプリの情報が表示される場合は、インストールして使えるかどうかの参考情報となりますが、最終的には実際にインストールして自分で判断するようにしてください。
アプリの情報は、次のような種類があります。
ほぼ問題なく使えるのは5つor4つ星で、3つ星はなんとか使えます。
しかし、2つor1つ星はアプリがインストールできないor起動できないので、使用不可です。
種類 | 星の数 |
---|---|
全く問題なく実行 | 5つ星 ⭐⭐⭐⭐⭐ |
問題なく実行 | 4つ星 ⭐⭐⭐⭐ |
使用可能な機能の制限 | 3つ星 ⭐⭐⭐ |
インストール可能、ただし動作しない | 2つ星 ⭐⭐ |
インストールしない | 1つ星 ⭐ |
ちなみに、「Mery」と「秀丸」では、次のような情報が表示されました。
- Mery:使用可能な機能の制限(3つ星 ⭐⭐⭐)
- 秀丸:全く問題なく実行(5つ星 ⭐⭐⭐⭐⭐)
Meryの場合
秀丸の場合
▶ ここでは、5つ星(全く問題なく実行)で無難そうな「秀丸」をインストールしてみます。
画面右下のボタン「継続」をクリックします。
▶ 以下のように「インストールする準備ができています」と表示されたら、右下の「インストール」をクリックします。
▶ インストール中に何らかの確認画面が表示される場合があるので、そのときは画面の指示に従って進めます。
ちなみに秀丸の場合は、以下の確認画面が表示されたので、「はい」をクリックして続けます。
以下は、文字化けしていない本来の画面
▶ さらに、次のような文字が化けているウィザード画面が表示されたら、ボタン「次へ」をクリックしてセットアップを続けます。
以下は、文字化けしていない本来の画面
▶ 以下のように、文字化けしているものの、2つの選択肢が表示されている画面が表示されたら、下のボタン「次へ」をクリックします。
以下は、文字化けしていない本来の画面
▶ 以下のように、文字化けしているものの、2つのアイコンが表示されている画面が表示されたら、下のボタン「次へ」をクリックします。
以下は、文字化けしていない本来の画面
▶ 以下のように、文字化けしているものの、複数のアイコンが表示されている画面が表示されたら、下のボタン「次へ」をクリックします。
以下は、文字化けしていない本来の画面
▶ 以下のように、文字化けしている文字だけの画面が表示されたら、下のボタン「次へ」をクリックします。
以下は、文字化けしていない本来の画面
▶ 以下のようにボタン「OK」が表示されたら、そのボタンをクリックします。
ここまでで、秀丸エディタのセットアップは完了です!
以下は、文字化けしていない本来の画面
▶ 以下のように「スタートメニューやデスクトップなどの秀丸エディタのショートカットから起動してください。」と表示されたら、ボタン「OK」をクリックします。
▶ 以下のように、秀丸エディタのインストール完了の画面が表示されたら、右下のボタン「完了」をクリックします。
▶ CrossOverの基本画面が表示されるので、表示された秀丸エディタのアイコンをダブルクリックすると、該当のアプリが起動します。
▶ 以下のように、見慣れた秀丸が起動しました。
Windowsで使い慣れたアプリをMacでも使いたい人には、選択肢の一つにしてもいいんじゃないでしょうか?
ちなみに、WindowsアプリからMacのユーザフォルダ(書類やデスクトップなど)は、読み書きが可能です。
Microsoft Officeの対応状況は?
以下の図は、CrossOver 21上で動かしている、「Office 2007」に含まれる「Excel 2007」と「Access 2007」です。
Office 2007のインストール方法と、注意点です。
インストール方法は、Office 2007のセットアップディスクをCD/DVDドライブに挿入すると、以下のようにCrossOverでディスクが表示されるので、それを指定してインストールを行います。
次に注意点です。
Office 2007がうまくインストールできないときは、ボタン「インストールオプションを変更…」をクリックして、「Microsoft .NET Framework 2.0 Service Pack2」を除外したら、うまくいくようになりました。
ちなみに、WindowsのAPIを呼び出すようなマクロやプログラムは使えないので注意が必要ですが、そこまで深く使い込まなければ問題なさそうです。
また、「Microsoft Office」の各バージョンについては、インストール時のアプリ情報では以下のように表示されました。
Officeのライセンスを持っていて、CrossOverの導入を考えている人は、参考にしてください。
Office の2007から標準ファイル形式が「xls → xlsx」などと変わっていますので、CrossOverで使うなら「Office 2007」か「Office 2010」がおすすめです。
昔のファイル形式で良ければ、「Office 2000」か「Office 2003」がおすすめです。
CADアプリの「Jw_cad 7.11」も使えました
Windowsの無料のCADアプリ「Jw_cad 7.11」も使えました。
インストールするときのアプリ情報では、以下の表示が出ました。
以下は、実際に起動したところです。
まとめ
M1 MacでWindowsアプリを使う方法として、「CrossOver」というアプリの使い方を紹介してきました。
「CrossOver」はレイヤー方式でWindowsアプリを動かしていますが、仮想環境方式でWindowsそのものを動かしてしまう方法もあります。
当ブログでは、仮想環境方式として、以下の2つの方法を紹介しています。
1つ目のParallels Desktopは有料のアプリですが、動作の安定性では最も優れています。
もう一つの方法のUTMは無料アプリですが、かんたんな動作確認程度なら問題ないと思います。
このページの記事は、ここまでです。
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