M1/M2/M3などのAppleシリコンMacで使える仮想環境アプリ「VMware Fusion Pro/Player」のバージョン13.5正式版がリリースされたので、特徴の紹介とインストール方法を解説します。
「個人使用」に限っては無料で使用できますので、無料登録の方法や、有料となる「商用使用」との違いも説明します。
既にVMware Fusionをインストールしていてアップデートを考えている方は、次の記事をご覧ください。
なお、当ページの内容は、以下の環境で検証しました。
VMware Fusionなどの仮想環境アプリを使う場合は、Macの搭載メモリ8GBだと動きが遅くて使いづらいので、16GB以上がオススメです。
項目 | 内容 |
---|---|
Mac機種 | Mac Book Air (M1, 2020) |
搭載メモリ | 16GB |
搭載CPU・GPU | Apple M1 CPU 8コア、GPU 8コア |
macOSバージョン | 14.1 Sonoma |
VMware Fusion バージョン | 13.5.0 (22583790) 2023/10/19 リリース |
Windows 11バージョン | Windows 11 Pro 22H2 (22621.1702) |
このページの内容は、以前公開した次の2つの記事のアップデート版です。
① VMware Fusionバージョン13.0版
② VMware Fusionテックプレビュー版
バージョン13.5の特徴
動作環境
- macOS Monterey 12、macOS Ventura 13、macOS Sonoma 14以降が対象
新機能
- Windows 11がマウスクリックだけで行える【Get Windows】機能が搭載
- VMware Toolsをインストール前にネットワーク・ディスプレイ・サウンドなど使用可能
- 以下はVmware Toolsインストール後に使用可能
- Macホスト <=> Windowsゲスト間でドラッグ&ドロップの実現
- Macホスト <=> Windowsゲスト間でコピー&ペーストの実現
- DirectX 11 3Dグラフィックのサポート
注意点
VMware Fusion 13.5 + AppleシリコンMacでは、インテルMacのような「ファイル共有」機能が使えません。
一工夫することにより似たような機能を実現する方法を、以下の記事で紹介しています。
無料の「個人使用」と、有料の「商用使用」の違いは?
VMwareの公式サイトでは、以下のリンク先に「個人使用に限って無料」と明記されています。
Fusion Player offers a Personal Use License, available for free with a valid MyVMware account. Home users, Open Source contributors, students, and anyone else can use Fusion Player Free for Non-Commercial activity.
VMware Fusion Player – Personal Use License
上記の後半を翻訳すると、次のようになります。
ホーム ユーザー、オープン ソースの貢献者、学生、およびその他のユーザーは、非営利目的で Fusion Player Free を使用できます。
となるので、VMware Fusionを使って会社・仕事・商売で使う場合は有料版を買ってね、それ以外の場合は無料ですよ、という解釈になります。
注意点:Windowsのライセンスについて
VMware FusionでWindowsを継続的に使用する場合は、ライセンス認証が必要です。
ただし、競合アプリのParallels DesktopではマイクソフトがWindowsのサポートを明言しているのに対して、VMware Fusionについては明言していないので、「ライセンス認証はする必要があるがサポートはされない、グレーな状態」という点に注意が必要です。
よって、会社や学校などで安心して使いたい場合は、Parallelsを使った方が良いと考えます。
以下は、当ブログのParallels関連記事です。
作業の大まかな流れ
作業項目は複数に渡っていて、トータル実質作業時間は数十分〜1時間ほどかかります。
- ① VMwareアカウントの作成(アカウントがない場合)
- ② VMware Fusion Playerのダウンロード
- ③ VMware Fusion Playerのインストールと初期設定
- ④ Windowsのダウンロード&仮想マシンの作成
- ⑤ Windows 11のセットアップ
- ⑥ VMware Toolsのインストール
注意する点は、各章で随時説明しています。
バージョン13.0.xまでは手間がかかる次の作業が必要でしたが、13.5から不要になりました。
- ①の前に、Windows 11のISOファイルのダウンロード
① VMwareアカウントの作成(アカウントがない場合)
「VMware Fusion Player 13.5」はVMware社の公式サイトでダウンロードしますが、無料使用ライセンスを登録するには「VMwareアカウント」が必須となります。
以前に旧バージョンを使っていたなどで、既に「VMwareアカウント」を持っている人は作成する必要はありません。
持っていない人は、次のリンク先の記事を参考にして、「VMwareアカウント」を作成してください。
持っているかどうかわからない人は、とりあえずリンク先で紹介しているサイトにアクセスして、サインインSIGN IN(ログイン)できるかどうか確認してみてください。
② VMware Fusion Playerのダウンロード
VMware Fusionには、以下の二種類があります。
- VMware Fusion Player:無料。非商用の個人向け
- VMware Fusion Pro:有料。商用または企業・組織利用向け
今回利用するのは上段となります。
▶︎ 以下のダウンロードリンクをクリックします。
▶︎ ダウンロードページが開いたら、見出し「Fusion 13 Pro for macOS 12+」以下のボタン「DOWNLOAD NOW」をクリックします。
今回、個人使用ライセンス登録するのはVMware Fusion Playerですが、このページのダウンロードは「Pro」の方で良いです。
▶ ファイルのダウンロード(保存)の操作画面が表示されたら、適当なダウンロード場所を指定して、ボタン「保存」をクリックします。
ファイルはdmg形式のイメージファイルで保存されます。
▶ dmg形式のイメージファイルが保存できたら、VMware Fusionのインストールと初期設定を行うので、続けて次の章に進んでください。
③ VMware Fusion Playerのインストール・ライセンス登録・初期設定
▶ dmg形式で保存したファイルをダブルクリックしてマウントします。
▶ dmgファイルがマウントされて内容が表示されたら、アイコン「VMware Fusion.app」をダブルクリックして起動します。
▶ 図のように、ファイルを開くときのセキュリティ確認画面が表示されたら、ボタン「開く」をクリックします。
▶︎ 図のように、アプリをフォルダ「アプリケーション」にインストールする確認画面が表示されたら、Macのログインやアプリインストールの時のパスワードを入力してから、ボタン「OK」をクリックします。
▶︎ 図のように、初期化中の画面が表示されたら、次の操作画面に変わるまでしばらく待ちます。
▶ 図のように、ライセンス契約の画面が表示されたら、ボタン「同意する」をクリックします。
▶ 図のように、ライセンスキーの入力画面が表示されたら、ボタン「無償のライセンスキーの取得」をクリックします。
▶︎ 図のように、VMwareの公式サイトが開いたら、画面右上の文字「I Have an Account」をクリックします。
以下は、矢印のあたりの拡大図です。
▶︎ VMware Customer Connectの画面に切り替わったら、既に作成済みのVMwareアカウントでサインインSIGN IN(ログイン)します。
▶ 画面が元に戻ったら、左下のボタン「Register」をクリックします。
以下は、矢印のあたりの拡大図です。
▶︎ 画面が「Accept End-User License Agreement」に切り替わったら、入力済みの項目はそのままでいいと思いますが、アスタリスク*が付いた必須項目を適当に選択・入力します。
最後に、画面一番下までスクロールして、①Captchaに表示された文字を入力して、②I agree〜にチェックを入れて、③ボタン「START FREE TRIAL」をクリックします。
▶︎ 画面が切り替わって、見出し「License Information」が表示されたら、LICENSE KEYSに表示された文字をコピペなどして保存しておきます。
また、このキーをVMware Fusion Player 13.5に登録するので、コピーしてクリップボードに保存します。
以下は、矢印のあたりの拡大図です。
▶︎ VMware Fusionのセットアップ中の、ライセンスキーの入力画面に戻って、ライセンスキーの入力欄にコピーしたライセンスキーをペーストします。
ペーストしたら、ボタン「続ける」をクリックします。
▶︎ 図のように、「〜ありがとうございます。」と表示されたら、インストール・ライセンス登録が完了です。
引き続いて、初期設定を行います。
ボタン「完了」をクリックして、この画面を閉じます。
▶︎ 図のようにアクセス権制御の許可画面が表示されたら、ボタン「OK」をクリックします。
▶︎ 図のように「アクセシビリティにアクセスできません」と表示されたら、ボタン「OK」をクリックします。
▶︎ 図のように「”VMware Fusion.app”は、アクセシビリティ機能を使用してこのコンピュータを制御することを求めています。」と表示されたら、ボタン「システム設定を開く」をクリックします。
▶︎ Macのシステム設定が開いたら、VMware Fusionのスイッチをオン(右)に変更します。
変更したら、この画面は閉じてOKです。
▶︎ 以上で、VMware Fusionのセットアップと初期設定が完了です。
④ Windowsのダウンロード&仮想マシンの作成
▶ VMware Fusionが起動してなければ、Finderのフォルダ「アプリケーション」の中の、アイコン「VMware Fusion」をダブルクリックして起動します。
▶ 「インストール方法を選択」の画面で、「MicrosoftからWindowsを取得」を選択してから、ボタン「続ける」をクリックします。
▶ 「Windows 11のダウンロードとインストール」の画面が表示されたら、ボタン「続ける」をクリックします。
▶︎ インストールするWindows 11のエディションと言語の選択画面が表示されたら、適切な項目を選択してから、ボタン「Windowsをダウンロードする」をクリックします。
ここでは、「Professional」エディションの「Japanese(ja-jp)」を選択してみます。
▶︎ Windowsのダウンロードには数分〜数十分かかるので、次の操作画面に変わるまでしばらく待ちます。(参考までに、今回は約10分かかりました。)
▶︎ Windowsのダウンロードが完了すると右下の「続ける」ボタンがクリックできるようになるので、そうなったらクリックします。
▶︎ 図のように「ファームウェアタイプを選択」が表示されたら、「UEFI」と「UEFIセキュアブート」にチェックを入れてから、ボタン「続ける」をクリックします。
ちなみに、「UEFIセキュアブート」にチェックがなくてもインストールや起動することはできますが、Windows 11では必須事項となっていますので、無難にチェックを入れておくことをオススメします。
▶︎ 図のように「暗号化を選択」と表示されたら、「Partial Encryption」を選んで、適当に8桁以上のパスワードを設定します。
また、「Remember Password and store it in Mac’s Keychain」にチェックを入れておきます。
ちなみに、「Full Encryption」と「Partial Encryption」の違いは、前者は「全てを暗号化」で後者は「部分的に暗号化」ですが、具体的にどう違うのかはよくわかりません。
▶︎ 図のように「仮想ディスクを選択」が表示されたら、「新しい仮想ディスクを作成」を選択してから、ボタン「続ける」をクリックします。
▶︎ 図のように「終了」と表示されたら、ボタン「終了」をクリックして完了です。
なお、ディスク・メモリ・CPUの割り当てを変更したい場合は、ボタン「設定のカスタマイズ」をクリックします。
▶︎ 図のように仮想マシンのファイル名を指定する画面が表示されたら、必要に応じて変更します。
大抵は変更する必要がなく、デフォルトのままで良いと思います。
注意点ですが、ボタン「保存」をクリックすると、すぐにWindows 11のセットアップが始まりますので、ボタンを押さないままで、次の章に進んでください。
⑥ Windows 11のセットアップ
▶ 前章からの続きです。
仮想マシンのファイル名の保存画面で、ボタン「保存」をクリックします。
▶ 画面に「Press any key to boot from CD or DVD…」と表示されたら、キーボードのSPACEなどを押します。
▶ 仮想マシンが1回再起動がかかってから、Windowsのセットアップ画面が表示されます。
ボタン「次へ」をクリックします。
▶ 「今すぐインストール」の画面が表示されたら、真ん中のボタン「今すぐインストール」をクリックします。
▶ このあとは、画面に表示にされる内容に従って、セットアップを続けてください。
ただし、Windows 11のセットアップには「Microsoftアカウント」が基本的には必須となります。
これを回避して「ローカルアカウント」でセットアップしたい場合は、以下の操作を行います。
- ①サインイン画面までセットアップを進める
Windowsのセットアップ画面で、以下の図のようにボタン「サインイン」が表示されるまで、セットアップを進めます。
- ②ネットワークアダプタの切断
サインインの画面が表示された状態で、メニューバーの「仮想マシン」 -> 「ネットワークアダプタ」 -> 「ネットワークアダプタを切断」を選択します。
- ③セットアップ画面を一つ前に戻る
セットアップ画面の左上の矢印をクリックして、一つ前の画面に戻ります。
- ④「ローカルアカウント」でセットアップの継続
図のようにローカルアカウントの設定画面が表示されるので、この後は画面の指示に従ってセットアップ操作を続けます。
- ⑤ネットワークアダプタの再接続
Windowsのセットアップが完了したら、ネットワークアダプタを再接続するのを忘れずに。
▶ Windowsのデスクトップ画面が表示されたら、セットアップ完了です。
このままでは最適なディスプレイドライバが適用されてなかったりドラッグ&ドロップなどの新機能が使えないので、続けて次の章でVMware Toolsのインストールを行ってください。
⑦ VMware Toolsのインストール
ここからは、VMware Fusionでは従来からおなじみの「VMware Tools」をインストールします。
そうすると、最適なディスプレイドライバが適用されたりドラッグ&ドロップの新機能が使えるようになります。
▶︎ VMware Fusionの仮想マシンの実行画面が動いた状態で、次の操作を行います。
- ① メニューバーの項目「仮想マシン」をクリック
- ② メニュー項目「VMware Toolsのインストール」をクリック
▶︎ 図のように、VMware ToolsインストーラCDの接続の確認画面が表示されたら、ボタン「インストール」をクリックします。
▶︎ 図のように「自動再生」のポップアップ画面が表示されたらクリックして、次のポップアップで「setup.exeの実行」をクリックします。
一方、「自動再生」の画面が表示されない場合は、「ファイルエクスプローラー」を起動して、左側のサイドバーに表示されているであろうDVDドライブをクリックして、表示される「setup」をダブルクリックして実行します。
▶︎ 図のように「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と表示されたら、ボタン「はい」をクリックします。
▶︎ 図のようにインストーラの画面が表示されたら、画面の指示に従ってインストール作業を行なってください。
以降は詳しい説明は省きますが、順番にスクショだけを掲載しておきます。
なお、最後に仮想マシンの再起動をもって、インストールが完了となります。
▶︎ 仮想マシンが再起動すると、VMware Toolsの最新の機能が使えるようになっています!
(以下の図では、VMware Fusion 13.5の新機能、Mac <=> Win間のドラッグ&ドロップの様子)
▶ Windowsのセットアップは、以上で完了です。
まとめ
AppleシリコンMacで使える、「VMware Fusion Player 13.5」でWindows 11をインストールする方法を紹介しました。
非商用で個人使用に限るならば、無料で使えるので優位性は高いです。
以前のバージョン13と比べてセットアップが非常に簡単になり、Mac <=> Windows間のドラッグ&ドロップやコピー&ペーストも可能になったので、プライベートで使う限りでは十分なレベルに仕上がっています。
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