MacBookでは画面を閉じると自動的にスリープになりますが、あえてスリープさせたくない場合があります。
ここでは、Mac標準機能を使った方法と、アプリを使った方法の2つの手順を、図解入りでくわしく説明します。
Macの「クラムシェルモード(リッドクローズモード)」の紹介
ノート型のMacでは、昔から「クラムシェルモード(リッドクローズモード)」と呼ばれる使い方があります。
これは、次の条件を満たすと、画面を閉じた状態でもスリープ状態にならずに、Macを使う方法です。
- AC電源をつなぐ
- 外部ディスプレイをつなぐ
- 外部キーボードをつなぐ(USBまたはBluetooth接続)
- トラックパッドかマウスをつなぐ(USBまたはBluetooth接続)
逆に言うと、上記の条件を満たさない場合には、画面を閉じるとスリープになってしまう、ということになります。
そうすると、たとえば外部ディスプレイなどをつないでいない状態で、長時間ファイルのダウンロードをしたり、動画のエンコード処理をしたり、サーバ的にMacを使いたい、といった場合に画面を閉じるが電源をスリープさせたくない、といったことがあります。
以降は、その方法を紹介します。
① ターミナルのコマンドラインを使う方法
アプリをインストールしなくても、Macの標準ツールである「ターミナル」からコマンドラインを実行して設定ができます。
①-1 画面を閉じたときのスリープを無効/有効にする手順
▶ Finderのフォルダ「アプリケーション」-「ユーティリティ」から、「ターミナル」を起動します。
▶ 「ターミナル」が起動したら、次のいずれかのコマンドをコピーして、コマンドプロンプトのある場所でペースト(貼り付け)します。
スリープを無効にするときのコマンド
sudo pmset -a disablesleep 1
スリープを有効にするときのコマンド
sudo pmset -a disablesleep 0
以降の画面では、サンプルとして「スリープを無効にするときのコマンド」の場合です。
ペーストは、右クリックメニューから「ペースト」選択か、キーボードショートカットのcommand ⌘ + Vを選びます。
▶ コマンドをペーストしたら、キーボードのreturnを押して実行します。
▶ パスワードを要求されるので、アプリをインストールしたりMacにログインするときのパスワードを入力してから`retunr`を押します。
▶ コマンドを実行したら、念のために正しく設定できているかを次の「現在の設定を確認する手順」で確認してください。
①-2 現在の設定を確認する手順
▶ 「ターミナル」を起動して、次のコマンドをコピーして、コマンドプロンプトでペースト(貼り付け)します。
pmset -g
▶ コマンドをペーストしたら、キーボードのreturnを押して実行します。
▶ コマンドの実行結果で、SleepDisabledの行を確認します。
- 1の場合はスリープ無効
- 0の場合はスリープ有効
となります。
▶ 設定が済んだら、「ターミナル」のメニューバーから「ターミナル」-「ターミナルを終了」を選んで、ターミナルを終了します。
② アプリ「Amphetamine」を使う方法
画面を閉じた状態でスリープさせないアプリは、ありそうであまり見つかりません。
かつては、「InsomniaX」というアプリが定番でしたが、2016年から更新が止まっていて、macOS 10.12 Sierra以降はインストールできないorインストール困難、という状況です。
現時点2021年では、「Amphetamine」というアプリが定番になっています。
このアプリは、無料な上にアップル公式のMac App Storeから配布されていますので、セキュリティ上の信頼性は高いです。
macOS 10.11 El Capitan以降に対応で、M1 MacやmacOS 11.0 Big Surにも対応しています。
また、非常に多機能なアプリなので、まだ使ったことがない方は、まずは以下のリンク先の記事を御覧いただいて、ざっくりとした使い方を見てみることをおすすめします。
以降は、すでに「Amphetamine」がインストールされている前提で、画面を閉じてもスリープさせない手順を紹介します。
▶ Amphetamineが起動している状態で、メニューバーのアイコンをクリックしてメニューを表示します。
▶ メニューが表示されたら、「環境設定…」を選びます。
▶ 「環境設定」が開いたら、画面上部のタブ「デフォルトセッション」をクリックします。
▶ 「デフォルトセッション」に切り替わったら、「Macのディスプレイを閉じる:ディスプレイを閉じたとき、システムのスリープを許可」のチェックを外します。
▶ 以下の図のように「クラムシェルモードセッションについて」と表示されたら、画面下のボタン「Amphetamine Enhancerをインストール」をクリックします。
この「Amphetamine Enhancer」をインストールしなくてもスリープ解除の機能は使えますが、ここは説明通り無難にインストールしておきます。
▶ 図のように、Webブラウザが開いてGitHubのサイトが開きます。
開いたら、画面の一番下あたりの「Where Do I download Amphetamine Enhancer?」と書かれた下の「Right here」のリンクをクリックします。
以下は、一番下あたりの画面です。
▶ アプリのダウンロード画面が表示されたら、適当な場所に保存(ダウンロード)します。
▶ ダウンロードしたら、ファイルを開いて「Amphetamine Enhancer」をフォルダ「アプリケーション」にドラッグ・アンド・ドロップしてインストールします。
▶ ドラッグ・アンド・ドロップを完了したら、ダブルクリックして起動します。
▶ 最初に起動するときはセキュリティの確認がありますので、図のような画面が開いたらボタン「開く」をクリックします。
▶ 図のようにインストール画面が表示されたら、左側のリストから「Closed-Display Mode Fail-Safe」を選んで、ボタン「Install」をクリックします。
▶ 図のように「Install was successful」と出たら、インストール成功です。
「Amphetamine Enhancer」は、メニューバーから「Amphetamine Enhancer」-「Quit Amphetamine Enhancer」を選んで閉じます。
▶ 念のために、Macを再起動してください。
▶ 再起動できたら、ふたたび「Amphetamine」の「デフォルトセッション」から、「Macのディスプレイを閉じる:ディスプレイを閉じたとき、システムのスリープを許可」のチェックを外します。
▶ 以下の図のように「クラムシェルモードセッションについて」と表示されたら、画面下のボタン「確認」をクリックします。
▶ 設定画面に戻ったら、チェックが外れていることを確認します。
▶ さらに、「一般」のタブをクリックして、「ログイン時にAmphetamineを起動」にチェックを入れます。
ここにチェックが入っていないと、つまりAmphetamineが起動していないと、画面を閉じたらスリープになってしまうので注意してください。
▶ すべての設定が完了したら、画面左上の赤いボタンをクリックして画面を閉じてください。
まとめ
このページでは、Macの画面を閉じてもスリープさせない方法として2つ紹介しました。
特に優劣はありませんので、個々人の事情や好みに合わせて選んでもらえば良いと思います。
こういった人におすすめ | |
① ターミナルの コマンドラインを使う方法 |
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② アプリ「Amphetamine」を 使う方法 |
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なお、画面を閉じて負荷の高い処理を長時間続けると、内蔵バッテリやロジックボードの劣化や故障を引き起こす可能性が高くなるので、金属に当てるなどして放熱には注意しましょう。
個人的な経験ですが、MacBook Pro 15インチでクラムシェルモード(リッドクローズモード)を使い、XcodeやAndroid Studioで開発をしていたところ、バッテリが熱でパンパンに膨張してしまったことがあります。
参考資料
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