macOS Monterey 12の目玉機能の「ユニバーサルコントロール」がリリースされました。
これはどんな機能なのか、Sidecarとは似ているが何が違うか、使用条件は何か、具体的な設定や使い方について、幅広く説明します。
どんな機能?
ユニバーサルコントロールとは、MacとiPadの合計3台までの組み合わせで、一組のキーボード・マウス(トラックパッド)を使い、すべてのデバイスを操作する機能です。
また、クリップボードの共有や、ファイルのドラッグ・アンド・ドロップも可能です。
ちなみにMacとiPadの組み合わせですが、少なくとも1台のMacを含む必要があります。
MacとiPadの組み合わせを図解すると、次のようになります。
Sidecarとの共通点や違いは?
ユニバーサルコントロールと似た機能として、Sidecarがありますが、次のような共通点や違いがあります。
なお、ユニバーサルコントロールとSidecarは同時には使えません(排他使用になります)。
項目 | ユニバーサルコントロール | Sidecar |
---|---|---|
機能の概要 | 一組のキーボード・マウスを共有 | iPadをMacの外部ディスプレイ として使用 |
iPadの画面の向き | 横のみ | 縦と横から選択 |
デバイスの組み合わせ | 最低1台のMacと、MacまたはiPad | Mac + iPad |
最大デバイス数 | 3 | 2 |
対応OSバージョン | macOS Monterey 12.3以上 iPadOS 15.4以上 | macOS Catalina 10.15以上 iPadOS 13以上 |
違うってのはわかるんだけど、ユニバーサルコントロールとSidecarをどう使い分けたらいいんだろう?
iPadの方が使いやすいアプリがある場合は、ユニバーサルコントロールを使ったほうがいい。
例えば、Kindleで漫画や本を読んだり、PDFビューアでPDFを見るときは、縦向きの方が読みやすいから、ユニバーサルコントロールが使いやすい。
他には、Youtubeやアマゾンプライムビデオなどの動画配信を流し見しながら作業するときは、iPad側で動画を流すとちょうどいいと思ったよ。
いつから使える?対応機種や使用条件は?
OSバージョン
2022年3月14日にリリースされたmacOS Monterey 12.3以上とiPadOS 15.4以上で使用可能です。
対応機種
MacとiPadは以下の機種である必要があります。
Macタイプ | 対象 |
---|---|
MacBook Air | 2018年以降のモデル |
MacBook Pro | 2016年以降のモデル |
MacBook | 2016年以降のモデル |
iMac | 2017年以降のモデル |
Mac mini | 2018年以降のモデル |
Mac Pro | 2019年以降のモデル |
iPadタイプ | 対象 |
---|---|
iPad Pro | 全モデル |
iPad Air | 第3世代以降のモデル |
iPad | 第6世代以降のモデル |
iPad mini | 第5世代以降のモデル |
使用条件
ユニバーサルコントロールを使うMac/iPadで、以下の条件を満たす必要があります。
- 同一のApple IDでログインしている
- ワイヤレスで接続する場合
- Wi-Fi、Bluetooth、Handoffがオン
- 端末間の距離が10m以内
- USBで接続する場合
- MacとiPadが「信頼できるデバイス」として接続されている
「信頼できるデバイス」の内容を知りたい人は、次の記事を御覧ください。
設定方法
Mac
▶ 「システム環境設定」を開いて、「ディスプレイ」をクリックします。
▶ 「ディスプレイ」が表示されたら、画面の一番下のボタン「ユニバーサルコントロール…」をクリックします。
▶ 設定画面が表示されたら、3つの項目を必要に応じてチェックを入れます。
各項目は次の意味がありますが、上2つはチェック推奨、一番下は必要に応じてチェックを入れることをオススメします。
一番下にチェックを入れると、自動的に「ユニバーサルコントロール」が使えるのは便利なんだけど、Sidecarも使う人は、ここはオフにしておいたほうがいいかもしれない。
設定をしたら、右下のボタン「完了」をクリックして設定を保存して閉じます。
項目 | 説明 |
---|---|
カーソルとキーボードを 近くにあるすべてのMacまたはiPad間で 移動することを許可 | これにチェックを入れると、 ユニバーサルコントロールが有効になる |
ディスプレイの端を通過させて 近くにあるMacまたはipad に接続 | マウスカーソルをデバイス間の画面に移動すると、 ユニバーサルコントロールが自動的に有効化される |
近くにあるMacまたはiPad に自動的に再接続 | ユニバーサルコントロールを使ったことがある デバイス間で、 自動的に有効化される |
▶ ここまで設定したら、このあとユニバーサルコントロールを使うときにディスプレイの位置を調整するので、開いたままにしておいてください。
iPad
Wi-FiとBluetoothをオンにする手順の説明は、わかると思いますので省略します。
以下はHandoffの設定を確認する手順です。
▶ 「設定」を開いて、①左の列から「一般」をタップして、②「AirPlayとHandoff」をタップします。
▶ 「一般」が表示されたら、画面右の「Handoff」と「カーソルとキーボード(ベータ版)」をオンにします。
オンにしたら、「設定」の画面を閉じてもOKです。
使い方
Macでマウスカーソルを画面の左端または右端まで移動させて、さらに画面の外に移動させようとすると、ユニバーサルコントロールが有効化されているiPadやMacの画面にカーソルが移動されます。
以下の動画は、MacからiPadにマウスカーソルを移動させているところです。
デバイスの位置ですが、「システム環境設定」の「ディスプレイ」で、左右上下に配置が設定できます。
ユニバーサルコントロールを終了するには、次の2つの方法があります。
- ① デバイスをスリープまたは終了させる
- ② Macのメニューバーのコントロールセンターから、ユニバーサルコントロールを終了させる
ここでは②の方法について説明します。
▶ Macのメニューバーから、「コントロールセンター」のアイコンをクリックします。
▶ 「コントロールセンター」の中から、見出し「ディスプレイ」のアイコンをクリックします。
▶ 「ディスプレイ」のアイコンの色が変わり、ユニバーサルコントロールがオフになったことがわかります。
まとめ
macOS Monterey 12の新機能「ユニバーサルコントロール」について説明してきました。
Sidecarとの使い分けに悩みそうですが、日々使っていくうちに自分なりの使い方を見つけていってください。
参考資料
ユニバーサルコントロール全般に渡って漏れなくわかりやすく解説している良い記事です。
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