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M1 MacでUTMバージョン4を使いWindows 11をインストールしてみた

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MacでWindowsを使えるソフトウェア【Parallels】

UTM
更新日:2023年11月07日

投稿日:2023年11月02日
この記事は約13分で読めます。

M1/M2/M3などのAppleシリコンMacで使える仮想環境アプリ「UTM」のバージョン4正式版がリリースされたので、特徴の紹介とインストール方法を解説します

同類のアプリParallels DesktopやVMware Fusionと比較して荒削りな部分もありますが、それらのアプリにはない機能もあるので、選択肢の一つとして知っておいても良いでしょう。

この記事のポイント
  • UTMは無料で使用可能
    • ただし、Windowsを継続使用するにはWindowsのライセンス認証が必要
  • Windowsのインストールには、事前のISOファイルのダウンロードが必要
  • ユニークな機能として、IntelやPowerPCなど別CPUのエミュレーションが可能

なお、当ページの内容は、以下の環境で検証しました。

UTMなどの仮想環境アプリを使う場合は、Macの搭載メモリ8GBだと動きが遅くて使いづらいので、16GB以上がオススメです。

項目内容
Mac機種Mac Book Air (M1, 2020)
搭載メモリ16GB
搭載CPU・GPUApple M1 CPU 8コア、GPU 8コア
macOSバージョン14.1 Sonoma
UTM バージョン4.4.4 (92)
2023/10/21 リリース
Windows 11バージョンWindows 11 Pro 
22H2 (22621.1702)
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UTMバージョン4の特徴

動作環境

  • ゲストOS:macOS Big Sur 11.3、macOS Monterey 12、macOS Ventura 13、macOS Sonoma 14以降が対象

新機能

  • ゲストmacOS Sonoma 14以上の場合に、ウィンドウの境界をドラッグして解像度の変更が可能(macOS Sonoma 14の新機能AVFを利用)
  • メニュー項目や画面内メッセージなどの日本語化
  • Windowsセットアップ時に各種ドライバ(ディスプレイ・ネットワーク・サウンド)の自動インストール

UTM独自のユニークな機能

  • ゲストOS稼働のCPUと同じ仮想マシン作成(仮想化)の他に、異なるCPUをエミュレートできる
    • AppleシリコンMacで、インテル版のWindows 7などを実行したり、インテル版やPowerPC版の古いmacOSが実行可能

異なるCPUのエミュレートでは、速度は仮想化と比べると大きく劣ります。

とはいえ、たまにしか必要でない場合は、まずは試してみてほしい機能です。

詳しくは、以下の記事で説明しています。

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作業の大まかな流れ

作業項目は多いですが、難しい部分はないので、ダウンロードの時間を含めても、実質作業時間は数十分〜1時間ぐらいです。

⑤の「SPICE Guest Toolsのインストール」では、このアドオンアプリをインストールすることにより、次のような機能が使えるようになります。

  • ホストMac <=> ゲストWindows、とのクリップボード共有
  • ウインドウのリサイズで解像度の変更

類似の仮想環境アプリの「Parallels Desktop」「VMWare Fusion」「VitrualBox」でも似たようなアドオンアプリがあるので、役割としては同じようなものだと思います。

ちなみに、上記の2つの機能を使わない人は、あえてインストールしなくても問題ありません。

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① UTMバージョン4のインストール

Mac App Storeでも入手できますが、有料です。(¥1,500。2023年11月2日の時点)

そこで、ここではUTMの公式サイトから無料版をダウンロードします。

Mac App Storeと公式サイトで何が違うのかは、確認していません。

▶ 以下のリンクをクリックして、UTMの公式サイトを開きます。

▶ サイトが開いたら、「Download」のボタンをクリックして、dmgファイルをMac内の適当な場所にダウンロード(保存)します。

UTM 公式サイト Mac版ページ

▶ dmgファイルがダウンロードできたら、ダブルクリックしてマウントします。

マウントとすると内容が表示されるので、「UTM」のアイコンを「Applications」のフォルダへドラッグしてインストールします。

Mac Finder UTM dmgマウント内容

▶ Finderの「アプリケーション」のフォルダを開いて、「UTM」をダブルクリックして起動します。

Mac Finder アプリケーション UTMダブルクリック

▶ 起動時にセキュリティの確認画面が表示されるので、「開く」のボタンをクリックします。

UTM セキュリティ確認画面 インターネットからダウンロードされたアプリケーションです。開いてもよろしいですか?

▶ UTMの初期画面が表示されたら、UTMのインストールは完了です。

UTM 初期画面

▶ UTMのインストールは、ここまでです。

MacBookなどでトラックパッドを使っている場合は、以下の設定を行なってスクロース方向を反転させておきましょう。

▶︎ メニューバーの「UTM」から「設定…」を選択

UTM 設定

▶︎タブ「入力」の中にある、項目「スクロールを反転」にチェックを入れる

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② Windows 11のISOイメージのダウンロード

Windows 11のインストールには、ISOイメージを使用します。

ISOの入手方法はいくつかありますが、ここでは公式サイトでも推薦している操作が簡単なアプリ「CrystalFetch」を使います。

当サイトでは以下リンク先の別ページで「CrystalFetch」の詳しい使い方を解説していますが、このページでは説明上必要な部分を抜き出して引用しています。

参考記事:Macで簡単にWindowsのISOをダウンロードできるアプリ「CrystalFetch」の使い方を紹介

▶ 以下のリンクをクリックして、Mac App Storeからアプリ「CrystalFetch」をインストールします。

▶︎ アプリ「CrystalFetch」を起動します。

Mac Finder

▶︎ アプリ「CrystalFetch」が起動したら、図で赤く囲んだ部分の各項目を選択します。

  • Version
  • Architecture
  • 言語
  • Edition
Mac アプリ「CrystalFetch」

▶︎ 各項目を選択したら、画面右下のボタン「ダウンロード…」をクリックします。

Mac アプリ「CrystalFetch」

▶︎ 図のように「マイクロソフトソフトウェアライセンス条項」の画面が表示されたら、ボタン「Accept」をクリックします。

 マイクロソフトソフトウェアライセンス条項

▶︎ ダウンロード中は画面の下の棒グラフで進捗状況が表示されるので、次の操作が促されるまで放置します。

時間が数十分〜数時間かかることもあるので、この間に他の作業を行なっていてもOKです。

Mac アプリ「CrystalFetch」

▶︎ ダンロードが完了して、図のようにISOを保存する場所を指定する画面が表示されたら、通常はフォルダ「ダウンロード」を指定します。

フォルダ「ダウンロード」以外の場所だと、保存に失敗することがあります。

場所を指定したら、ボタン「移動」をクリックします。

Mac Finder

▶︎ フォルダ「ダウンロード」を確認してISOが保存されていたら、操作完了です。

Mac Finder

▶︎ Windows 11のISOイメージのダウンロードは、ここまでです。

アプリ「CrystalFetch」は終了させてください。

次の章では、Windows 11のインストールを行います。

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③ Windows 11の仮想マシンの作成

▶ UTMを開き、+ 表示の「新規仮想マシンを作成」をクリックします。

UTM 起動初期画面

▶ 画面に「開始」と表示されたら、ウサギのアイコンの「仮想化」をクリックします。

UTM 新規仮想マシンを作成

▶ 画面に「オペレーティングシステム」と表示されたら、「Windows」をクリックします。

UTM 新規仮想マシンを作成 オペレーシティングシステム

▶ 画面に「Windows」と表示されたら、順番に以下の操作を行います。

  • ① 「Windows 10以降をインストール」にチェックを入れる
  • ② 「ドライバとSPICEツールをインストール」にチェックを入れる
  • ③ ボタン「選択…」をクリック

「② ドライバとSPICEツールをインストール」にチェックを入れておくと、Windowsのセットアップ中に自動的に各種ドライバ(ディスプレイ・ネットワーク・サウンド)をインストールしてくれます。

その後でSPICEツールをインストールする必要はありますが、セットアップ中の作業が楽になりますので、ぜひチェックを入れておきましょう。

UTM 新規仮想マシンを作成 Windowsの設定

▶ ファイルを開く画面が表示されたら、あらかじめダウンロードしておいたISOファイルを指定してから、「開く」をクリックします。

Mac ファイルの指定画面

▶ 「Windows」と表示された画面に戻ったら、ボタン「続ける」をクリックします。

UTM 新規仮想マシンを作成 Windowsの設定

▶ 画面に「ハードウェア」と表示されたら、「メモリ」と「CPUコア数」を必要に応じて変更してからボタン「次へ」をクリックします。

「メモリ」と「CPUコア数」の目安は、Mac搭載量の半分までです。

よくわからなければ、とりあえずデフォルトのままで設定をして、動きが鈍いと思ったら、あとで変更することもできます。

UTM 新規仮想マシンを作成 Windowsの設定

▶ 画面に「ストレージ」と表示されたら、必要に応じてサイズ変更してからボタン「次へ」をクリックします。

よくわからなければ、デフォルトのままで構いません。

UTM 新規仮想マシンを作成 Windowsの設定

▶ 画面に「共有ディレクトリ」と表示されたら、MacとWindowsの両方から読み書きするディレクトリを設定する場合は、ボタン「選択…」をクリックして設定を行います。

よくわからない場合は、設定しなくても構いません。

その後に、ボタン「続ける」をクリックします。

UTM 新規仮想マシンを作成 Windowsの設定

▶ 画面に「概要」と表示されたら、「名前」を必要に応じて適当に変更してから、ボタン「保存」をクリックします。

UTM 新規仮想マシンを作成 Windowsの設定

▶ 仮想環境の一覧画面に切り替わったら、仮想環境の作成が完了です。

UTM 新規仮想マシンを作成 Windowsの設定

▶ 引き続いてWindows 11のセットアップを実行するので、そのまま次の章に進んでください。

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④ Windows 11のセットアップ

▶︎ 再生アイコンをクリックします。

UTM 新規仮想マシンを作成 Windowsの設定

▶ 背景が黒色の仮想マシンの画面が表示されて、次の文字が表示されたら、画面の中をクリックしてから、キーボードでreturnキーを押下します。

Press any key to boot from CD or DVD ...

なお、Windowsのセットアップ中に何度か自動的に再起動がかかり、その度にこの画面が表示されますが、returnを押下するのは最初の1回だけで良いです。

UTM Windows インストール画面

▶︎ 図のようなWindowsのセットアップ画面が表示されたら、ボタン「次へ」をクリックします。

UTM Windows インストール画面

▶︎ ライセンス認証の画面が表示されたら、文字「プロダクトキーがありません」をクリックします。

UTM Windows インストール画面

▶︎ インストールするエディションの選択画面が表示されたら、好みの方を選んでから、ボタン「次へ」をクリックします。

ここでは例として、「Pro」を選んでみます。

UTM Windows インストール画面

▶︎ この後は、画面に表示される内容に従って、セットアップを続けてください。

▶ Windowsのデスクトップ画面が表示されたら、セットアップ完了です。

UTM Windows インストール画面

▶ 続いて、アドオンアプリ「SPICE Guest Tools」をインストーラするので、そのまま次の章に進んでください。

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⑤ SPICE Guest Toolsのインストール

▶ UTMでWindows 11を起動した状態で、ファイルエクスプローラを起動します。

UTM SPICE Guest Tools インストール

▶ ファイルエクスプローラが起動したら、サイドバーからラベル「utm」のディスクをクリックして開きます。

UTM SPICE Guest Tools インストール

▶ ディスクの内容が表示されたら、ファイル名「utm-guest-tools-(バージョン番号)」のアプリケーションファイルをダブルクリックして実行します。

UTM SPICE Guest Tools インストール

▶ インストール画面が表示されたら、「Next」をクリックします。

UTM Windows 11 SPICE Guest Tools インストール画面

▶ ライセンス合意書が表示されたら、「I Agree」をクリックします。

UTM Windows 11 SPICE Guest Tools インストール画面

▶ インストールが開始すると、数分で完了するので、しばらく待ちます。

UTM Windows 11 SPICE Guest Tools インストール画面

▶ インストールが完了したら、選択項目の「I want to manually reboot later」を選択してから、ボタン「Finish」をクリックします。

その後に、手動でWIndowsを再起動させてください。

この理由ですが、「Reboot now」を選択していると、高確率で仮想マシンがフリーズするからです。

UTM Windows 11 SPICE Guest Tools インストール画面

▶ Windows 11が再起動したら、SPICE Guest Toolsのインストール完了です。

ここまでの状態では、仮想マシンに2つのCD/DVDイメージ「WindowsのISO」と「SPICE Guest Tools」がマウントされた状態です。

この後は、これらのCD/DVDイメージはもう使わないので、アンマウントさせます。

やり方は、仮想マシンの画面の右上のCD/DVDアイコンをクリックしてから「取り出す」をクリックします。

2つのCD/DVDイメージとも「取り出す」を操作します。

UTM 仮想マシン
UTM 仮想マシン

この後は、日本語入力の設定をします。

このまま、次の章に進んでください。

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⑥ 日本語入力の設定

▶ キーボードの日本語入力の切り替えを設定します。

タスクバーの「あ」または「A」を右クリックして、「設定」を選択します。

Windows 11 日本語IMEの設定

▶ 「Microsoft IME」の設定画面が表示されたら、「キーとタッチのカスタマイズ」をクリックします。

Windows 11 日本語IMEの設定

▶ キーアサインの設定画面が表示されたら、「Shift + Space」に「IME-on/off」を割り当てます。

割り当てたら、この画面は閉じてOKです。

Windows 11 日本語IMEの設定

▶ ここまでで、日本語表示の設定が完了です。

以上で、ひととおりの設定が完了しました。

お疲れさまでした!

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まとめ

UTMバージョン4でWindows 11をインストールする方法を紹介しました。

Windows 11を使うだけなら、同類のアプリ「Parallels Desktop」や「VMware Fusion」の方が使い勝手が良いです。

しかし、IntelやPowerPCのOS(Windows/macOS)のエミュレートはUTM独自の機能なので、そういったニーズには検討しても良いのではないでしょうか。

当サイトでは、カテゴリ【MacでWindowsを使う】の記事を多数公開していますで、ご覧ください。

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コメント

  1. mira より:

    貴重な情報ありがとうございます。Windowsセットアップの段階で、必要なファイルがインストールできないと表示されるのですが(エラーコード:0x8007025D)、アドバイスいただけませんでしょうか?

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