macOSのインストーラをボタン一つでダウンロードできるアプリ「Mist」の使い方を紹介します。
ダウンロードだけでなく、インストール用USBメモリやISOファイルの作成まで全自動でできるので、おすすめです。
2023年6月リリースのMistのバージョン0.8からは、ブート可能なUSBメモリ作成もできるようになりました!
なお、当ページの内容は、以下の環境で検証しました。
項目 | 内容 |
---|---|
Mac機種 | MacBook Air (M1, 2020) |
搭載メモリ | 16GB |
搭載CPU・GPU | Apple M1 CPU 8コア、GPU 8コア |
macOSバージョン | 13.4 Ventura |
Mist バージョン | 0.81(2023/6/15 公開) |
メリット・デメリット
アプリ「Mist」のメリット
メリットとして、以下のことが出来ます。
項目 | 内容 |
---|---|
料金 | 無料 |
ダウンロード可能なmacOSバージョン | 以下の切り替え可能
|
ダウンロード後に作成可能なインストールファイル (詳しくは、【Mistで作成可能なmacOSインストーラ形式】参照) | 以下の中から選択可能
|
アプリ「Mist」が使えるmacOSバージョン | Monterey 12.0以上 (AppleシリコンMac/インテルMac) |
なお、USBメモリ使用のインストーラを作成する場合は、あらかじめ全消去しても問題がない空のUSBメモリを用意しておいてください。
以下のアダプタは、USB Type-CしかないMacで上記のUSBメモリを接続するときにオススメの変換アダプタです。
上記のUSBメモリは、よくある一般的なUSB Type-A接続です。
アプリ「Mist」のデメリット
一方、デメリットはほとんどありませんが、あえて挙げると以下の項目があります。
- 表示が英語表記で日本語でない
英語表記ではありますが、操作はボタンを数回クリックするだけで、特に難しくはないです。
とはいえ念の為に、このページではスクショを使って、わかりやすく解説します!
Mistで作成可能なmacOSインストーラ形式
ダウンロードするmacOSのバージョン、使用しているMacの種類(AppleシリコンMac/インテルMac)によって、作成できるものが異なりますので、以下にまとめます。
これを見ると、次のことが言えます。
- 10.9 Mavericksは入手できない
- 10.7 Lionと10.8 Mountain Lionの「ISO」と「USBメモリ」は作成できない
- 10.10 Yosemiteから10.15 Catalinaの「ISO」や「USBメモリ」を作るには、インテルMacで行うしかない
macOSバージョン | AppleシリコンMac | インテルMac | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
.app アプリケーション形式 | .pkg インストールパッケージ形式 | .dmg dmgディスクイメージ | .iso isoディスクイメージ | USBメモリ | .app アプリケーション形式 | .pkg インストールパッケージ形式 | .dmg dmgディスクイメージ | .iso isoディスクイメージ | USBメモリ | |
14 Sonoma | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
13 Ventura | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
12 Monterey | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
11 Big Sur | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
10.15 Catalina | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
10.14 Mojave | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
10.13 High Sierra | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
10.12 Sierra | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
10.11 El Capitan | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
10.10 Yosemite | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
10.9 Mavericks | × | × | × | × | × | × | × | × | × | × |
10.8 mountain Lion | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ | × | × |
10.7 Lion | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ | × | × |
11以降:AppleシリコンMacとインテルMacの両対応
インストール方法
▶︎ 以下のリンク先をクリックして、公式サイトのリリースページを開きます。
▶︎ 公式サイトが開いたら、「Latest(最新)」のラベルがついたバージョン番号の見出しの中の、以下のいずれかのファイルをクリックして、ファイルを保存します。
- dmgファイル
- pkgファイル
以下の画面では、見出し「0.8.1」の中の、「Mist.0.8.1.dmg」または「Mist.0.8.1.pkg」と書かれたファイルになります。
どちらでも同じアプリですが、インストール方法が異なります。
dmgファイルの方はドラッグ&ドロップでインストール、pkgファイルの方はダブルクリックでインストーラが実行されます。
お好みに応じて選んで構いませんが、よくわからなければ操作が簡単なdmgの方をオススメします。
以下の図は、矢印のあたりの拡大図です。
▶︎ dmgファイルをダウンロードしたら、ダブルクリックされて表示されたアプリを、フォルダ「アプリケーション」へドラッグ&ドロップしてインストールします。
一方、pkgファイルをダウンロードしたら、ダブルクリックしてインストールします。
インストールの作業は、画面の表示に従って進めるだけで簡単です。
よって、このページでインストール手順の説明は省略します。
アプリ起動と画面の基本画面の説明
▶︎ MacのFinderを前面に表示して、フォルダ「アプリケーション」の中にある、アプリ「Mist」をダブルクリックして起動します。
▶︎ アプリ「Mist」が起動したら、ポップアップ画面「Refreshing」が表示されて、最新のmacOSバージョンを取得するので、しばらく待ちます。
▶︎ 最新の情報が取得できたら、自動的にポップアップ画面「Refreshing」が閉じます。
▶︎ 画面の各要素について、よく使う部分についての説明です。
No | 項目 | 説明 |
---|---|---|
① | Firmwares/Installers | ファームウェアとインストーラの 切り替え。 通常は、macOSをダウンロードするので、 「Installers」を選択。 |
② | Include Betas | ベータ版を含むかどうか。 |
③ | Only show compatible versions | 現在使用しているMacの機種に 対応したバージョンのみ表示。 |
④ | Export List | リストをJSONファイルとしてエクスポート。 |
▶︎ どのバージョンをダウンロードするかを決めたら、リストの右端にあるボタンに注目してください。
ボタンが2つ並んでいる場合は左側がダウンロードボタン、右がUSBメモリ作成ボタンになります。
macOSのバージョンによっては、ダウンロードボタンだけの場合があります。
ここからは、以下の2パターンに分けて操作方法を説明します。
以下のリンクをクリックして、それぞれの説明までジャンプしてください。
- ダウンロードボタン・・・パターンA:app/pkg/dmg/isoファイルを作成
- USBメモリ作成ボタン・・・パターンB:USBメモリ使用のインストーラを作成
パターンA:app/pkg/dmg/isoファイルを作成
▶︎ 以下の図では、「13.4」のダウンロードボタンをクリックしてみます。
▶︎ もしも次のような画面、タイトル「macOS Installer not compatible」が表示されたら、現在使用中のMacでは対応していない警告なので、それでも問題がなければボタン「Continue」をクリックしてください。
中止する場合は、ボタン「キャンセル」をクリックしてください。
This macOS Installer downloaded cannot be used to restore macOS on this Apple Silicon Mac,
(ダウンロードしたこのmacOSインストーラーを使用して、このAppleシリコンMacでmacOSを復元することはできません。)
▶︎ さらに、もしも次のような画面、タイトル「Privilege Helper Tool not installed!」が表示されたら、Mist特権ヘルパーなるツールをインストールする必要があるため、ボタン「Install…」をクリックして、ツールのインストールを実行します。
The Mist Privileged Helper Tool is required to perform Administrator tasks when creating macOS installers.
(”Mist特権ヘルパーツール”は、macOSインストーラーを作成するときに管理者タスクを実行するために必要です。)
▶︎ さらにさらに、もしも次のような画面、タイトル「Full Disk Access required!」が表示されたら、ディスクへのアクセスを許可するために、ボタン「Allow…」をクリックして権限の許可を設定します。
Mist requires Full DIsk Access to perform Administrator tasks when creating macOS installers.
(Mistでは、macOS インストーラの作成時に管理者タスクを実行するためにフル・ディスク・アクセスが必要です。)
▶︎ 図のようにファイル保存の操作画面が表示されたら、画面の下にある「Select Export Types」から保存形式にチェックを入れてから、ボタン「Save」をクリックします。
チェックは1つだけでもいいし、複数でも構いません。
Type | 拡張子 | 備考 |
---|---|---|
Application | .app | Mac実機をアップデートする場合に使用 |
Disk Image | .dmg | |
ISO | .iso | 仮想環境アプリで一般的な形式 |
Package | .pkg |
▶︎ 図のように、ダウンロード・ISO等作成の進捗画面が表示されたら、完了するまで放置します。
この間は他のアプリを使っていても構いませんが、Macをシャットダウン/スリープさせないように注意してください。
▶︎ ダウンロード・ISO等作成が完了すると、ダウンロード・ISO等作成の進捗画面の下にボタン「Close」が表示されるので、クリックして閉じます。
なお、保存先に指定されたフォルダには、各種ファイルが作成されています。
「パターンA:app/pkg/dmg/isoファイルを作成」の説明は以上です。
macOSのバージョンによっては、エラー画面が出て途中で止まってしまうことがあります。
その場合は、次のような対処法を試してみてください。
当方のMacでは、これらの方法で解決できた場合がありました
- Macを再起動してやり直してみる
- 違うバージョンを試してみる
- 例:macOS Ventura 13.6でエラーが出る場合は、13.5や13.0などを試してみる
- 別のMacがあれば、そっちでも試してみる
- ダウンロードする保存形式の指定画面で、エラーが起きた形式のチェックを外してやり直してみる
パターンB:USBメモリ使用のインストーラを作成
▶︎ 以下の図では、「13.4」のUSBメモリ作成ボタンをクリックしてみます。
▶︎ もしも次のような画面、タイトル「macOS Installer not compatible」が表示されたら、現在使用中のMacでは対応していない警告なので、それでも問題がなければボタン「Continue」をクリックしてください。
中止する場合は、ボタン「キャンセル」をクリックしてください。
This macOS Installer downloaded cannot be used to restore macOS on this Apple Silicon Mac,
(ダウンロードしたこのmacOSインストーラーを使用して、このAppleシリコンMacでmacOSを復元することはできません。)
▶︎ さらに、もしも次のような画面、タイトル「Privilege Helper Tool not installed!」が表示されたら、Mist特権ヘルパーなるツールをインストールする必要があるため、ボタン「Install…」をクリックして、ツールのインストールを実行します。
The Mist Privileged Helper Tool is required to perform Administrator tasks when creating macOS installers.
(”Mist特権ヘルパーツール”は、macOSインストーラーを作成するときに管理者タスクを実行するために必要です。)
▶︎ さらにさらに、もしも次のような画面、タイトル「Full Disk Access required!」が表示されたら、ディスクへのアクセスを許可するために、ボタン「Allow…」をクリックして権限の許可を設定します。
Mist requires Full DIsk Access to perform Administrator tasks when creating macOS installers.
(Mistでは、macOS インストーラの作成時に管理者タスクを実行するためにフル・ディスク・アクセスが必要です。)
▶︎ 図のように「Create a Bootable Installer for macOS」の操作画面が表示されたら、USBメモリをMacに接続します。
接続したら、画面の左下にあるボタン「Open Disk Utility」をクリックします。
▶︎ ディスクユーティリティが起動したら、サイドバーからUSBメモリをクリックして選択します。
▶︎ ディスクユーティリティの画面上部にあるアイコンから、アイコン「消去」をクリックします。
▶︎ フォーマットの操作画面が表示されたら、フォーマット形式を「Mac OS拡張(ジャーナリング)」を選択します。
▶︎ ボタン「消去」をクリックして、USBメモリをフォーマット(消去)します。
▶︎ フォーマットが完了したら、ボタン「完了」をクリックしてから、ディスクユーティリティを終了させます。
なお、USBメモリはMacに接続したままにしておきます。
▶︎ アプリ「Mist」の操作画面に戻って、たった今フォーマットしたUSBメモリを選択します。
▶︎ 画面下部のボタン「Select」をクリックします。
▶︎ 図のように、ダウンロード・USBメモリ作成の進捗画面が表示されたら、完了するまで放置します。
この間は他のアプリを使っていても構いませんが、Macをシャットダウン/スリープさせないように注意してください。
▶︎ ダウンロード・USBメモリ作成が完了すると、進捗画面の下にボタン「Close」が表示されるので、クリックして閉じます。
USBメモリをアンマウントしてからMacから外します。
「パターンB:USBメモリ使用のインストーラを作成」の説明は以上です。
まとめ
macOSのインストーラをボタン一つでダウンロードできるアプリ「Mist」の使い方を紹介しました。
アプリ「Mist」を使わないで古いmacOSのバージョンをダウンロードするには、以下のページの方法を参考にしてください。
ダウンロードしたmacOSのインストールを使って、ParallelsやVMware Fusionなどの「仮想環境アプリ」を使う方法は、以下のリンクを参考にしてください。
Macの機種別に対応しているmacOSバージョンは、以下の記事で紹介しています。
当ページの更新履歴
- 2023/11/19更新
- ダウンロードがうまくいかない時の対処法を追加しました。
- 2023/11/17更新
- Mistで作成可能なmacOSインストーラ形式を追加しました。
- パターンAのエラー発生時の対処法を追加しました。
- 表現内容を見直して細かいリライトをしました。
- 2023/6/22
- 最初の公開
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