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アップル公式サイトのmacOSインストーラDMG/PKGからISOを作る方法(10.7 Lion〜10.12 Sierra)

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Mac DMG 10.7 Lion 10.8 Mountain Lion 10.10 Yosemite 10.11 El Capitan 10.12 Sierra
更新日:2023年11月29日

投稿日:2023年11月24日
この記事は約18分で読めます。

アップル公式サイトで、古いmacOS(Mac OS X)がDMG形式でダウンロードできますが、これをISOに変換する方法を紹介します。

通常は、AppleシリコンMacや最近のインテルMacではISOを作成できませんが、それを解決するシェルスクリプトを作成しました。

ISOに変換できれば、各種仮想環境アプリ(VMware Fusion/VirtualBoxなど)でmacOSのインストールに使えます。

この記事のポイント
  • アップル公式サイト配布のDMG形式ファイルからISOファイルが作成できる、自作シェルスクリプト公開
  • 10.7 Lionから10.12 Sierraを仮装環境アプリ上をで使うなら、VMware Fusionがおすすめ
  • このページの方法では、Parallels DesktopでインストールできるISOは作成できない
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① 概要

ここでは、以下の内容について説明します。

(1) 現在のDMG形式の配布の問題点

問題点を一言で言うと、AppleシリコンMacや最近のインテルMacでは、DMG形式のファイルはダウンロードできても、そこから実際にmacOSのインストールに使うAPP形式やISO形式のファイルは作成でないという点です

以下、細かいですがステップを追って説明します。

以下の表は、ステップ①からステップ④までで、macOSのインストーラの入手から形式変換の移り変わりを表しています。

形式は、DMG形式 -> PKG形式 -> APP形式へと移り変わっています。

まず、アップルの公式サイトからダウンロードしたmacOSインストーラは、DMG形式になっています。(以下の表のステップ②)

これをダブルクリックすると、PKG形式のファイルが表示されます。(以下の表のステップ③)

さらにPKG形式のファイルをダブルクリックすると、フォルダ「アプリケーション」にAPP形式のmacOSインストーラがインストールされます。(以下の表のステップ④)

ネット検索するとよくヒットする情報では、最後のステップ④のAPP形式のmacOSインストーラからISOを作成する方法が紹介されています。

ところが、使用しているMacがサポート対象のmacOSのバージョンに合致していないと、ステップ③のPKGファイルをダブルクリックしても実行できないため、ステップ④のAPP形式のインストーラが作成できません。

例えば、AppleシリコンMacや最近のインテルMacでは、10.7 Lionなどの古いバージョンは動作しないので、ステップ③のPKG形式からステップ④のAPP形式のインストーラは作成できません。

ステップ①ステップ②ステップ③ステップ④
ダウンロードリンクRight Arrow配布物
DMG形式
Right ArrowPKG形式Right ArrowAPP形式
Safari アプリアイコンDmgアイコンPkgアイコンアイコンは以下に表示
ダウンロード直後のファイル名DMGをダブルクリックして表示されるファイル名PKGをダブルクリックして作成されるファイル名
10.12 Sierraダウンロード直リンクRight ArrowInstallOS.dmgRight ArrowInstallOS.pkgRight Arrow10.12 Sierra
macOS Sierraインストール.app
10.11 El Capitanダウンロード直リンクInstallMacOSX.dmgInstallMacOSX.pkg10.11 El Capitan
OS X El Capitanインストール.app
10.10 Yosemiteダウンロード直リンク10.10 Yosemite
OS X Yosemiteインストール.app
10.9 Mavericks××××
10.8 Mountain Lionダウンロードページを開くInstallMacOSX.dmgInstallMacOSX.pkg10.8 Mountain Lion
OS X Mountain Lionインストール.app
10.7 Lionダウンロードページを開く10.7 Lion
Mac OS X Lion インストール.app

(2) PKG形式からISOを作成するシェルスクリプトを自作

前述のような問題点があるため、シェルスクリプトを自作しました。

シェルスクリプトとは、Macの標準アプリ「ターミナル」で実行できる、簡単なプログラムのことです。

このシェルスクリプトでは、最新のmacOS 14 Sonomaが動いているAppleシリコンMacやインテルMacで、PKGからISOが作成できます。

以下は、ファイルの内容を表示しています。

シェルスクリプトの内容は面倒くさいので解説しませんが、ニーズがあるようなら検討します。

# Mac OS X 10.7 Lion 〜 macOS 10.12 Sierra インストールpkg -> iso
# 2023/11/23作成 「Macのアンチョコ」 https://yama-mac.com/

# macOSのバージョンをインプット
echo ""
echo "macOSバージョンを入力(以下の1から6の半角整数を入力してから、returnキー押下)"
echo "1 = 10.7 Lion、2 = 10.8 Mountain Lion、3 = 10.9 Mavericks"
echo "4 = 10.10 Yosemite、5 = 10.11 El Capitan、6 = 10.12 Sierra"

read os_version

# 入力チェックと、作成するISOの名前を設定
case "$os_version" in
	1 ) echo "1 = 10.7 Lionが入力されました。"
	os_version_name="10.7-Lion";;
	2 ) echo "2 = 10.8 Mountain Lionが入力されました。"
	os_version_name="10.8-Mountain-Lion";;
	3 ) echo "3 = 10.9 Mavericksが入力されました。"
	os_version_name="10.9-Mavericks";;
	4 ) echo "4 = 10.10 Yosemiteが入力されました。"
	os_version_name="10.10-Yosemite";;
	5 ) echo "5 = 5 = 10.11 El Capitanが入力されました。"
	os_version_name="10.11-El-Capitan";;
	6 ) echo "6 = 10.12 Sierraが入力されました。"
	os_version_name="10.12-Sierra";;
* ) echo "1から6の半角整数以外が入力されたので、スクリプトを中断します。"
	exit;;
esac
iso_name=$os_version_name"-pkg-to-iso.iso"

# 読み出し元のpkgの名前を設定
case "$os_version" in
	[1-5] ) pkg_name="InstallMacOSX.pkg";;
	6 ) pkg_name="InstallOS.pkg";;
esac

# BaseSystemのディスクラベルを設定
case "$os_version" in
	[1-3] ) base_system_label="Mac OS X Base System";;
	[4-6] ) base_system_label="OS X Base System";;
esac

# pkgファイルを圧縮解除して、フォルダに展開
pkgutil --expand ~/Desktop/$pkg_name ~/Desktop/tmp_Installer

# 展開したパッケージ内のフォルダに移動
cd ~/Desktop/tmp_Installer/$pkg_name

# tarコマンドで解凍・展開
tar -xf Payload

# 作業用イメージファイルを作成して、マウント
hdiutil create -o /tmp/tmp_iso.cdr -size 7316m -layout SPUD -fs HFS+J
hdiutil attach /tmp/tmp_iso.cdr.dmg -noverify -nobrowse -mountpoint /Volumes/iso

# 復元元のBaseSystem.dmgをマウントして、復元
hdiutil attach InstallESD.dmg -noverify -nobrowse -mountpoint /Volumes/esd
asr restore -source /Volumes/esd/BaseSystem.dmg -target /Volumes/iso -noprompt -noverify -erase

# シンボリックリンクを削除して、実ファイルをコピー(復元の結果、復元先のマウント名が変わっていることに注意)
case "$os_version" in
	[1-3] ) 
		rm "/Volumes/Mac OS X Base System/System/Installation/Packages"
		cp -rp "/Volumes/esd/Packages" "/Volumes/Mac OS X Base System/System/Installation"
		;;
	[4-6] ) 
		rm -r "/Volumes/OS X Base System/System/Installation/Packages"
		cp -rp "/Volumes/esd/Packages" "/Volumes/OS X Base System/System/Installation"
		;;
esac

# BaseSystem関連2ファイルを、ルートディレクトリにコピー
case "$os_version" in
	[1-3] ) 
		cp -rp /Volumes/esd/BaseSystem.chunklist "/Volumes/Mac OS X Base System/"
		cp -rp /Volumes/esd/BaseSystem.dmg "/Volumes/Mac OS X Base System/"
		;;
	[4-6] ) 
		cp -rp /Volumes/esd/BaseSystem.chunklist "/Volumes/OS X Base System/"
		cp -rp /Volumes/esd/BaseSystem.dmg "/Volumes/OS X Base System/"
		;;
esac

# マウント中のボリュームを、アンマウント
hdiutil detach /Volumes/esd
case "$os_version" in
	[1-3] ) 
		hdiutil detach "/Volumes/Mac OS X Base System/"
		;;
	[4-6] ) 
		hdiutil detach "/Volumes/OS X Base System/"
		;;
esac

# 作業用イメージファイルを、ISOイメージに変換
hdiutil convert /tmp/tmp_iso.cdr.dmg -format UDTO -o /tmp/tmp_iso.iso

# ISOイメージの名前と保存先を変更
mv /tmp/tmp_iso.iso.cdr ~/Desktop/$iso_name

# 作業用フォルダ・作業用イメージファイルを削除
rm -rf ~/Desktop/tmp_Installer
rm /tmp/tmp_iso.cdr.dmg

(3) 当ページの方法で作成したISOで各種仮想環境アプリでインストール検証した結果

作成したISOを各種の仮装環境アプリで「インストールできるか?」を検証した結果を以下の表にまとめました。

macOS 14 Sonomaがインストールされた、インテルMac上で検証しました。

VMware Fusion 13.5Parallels Desktop 17VirtualBox 7.0
VMware Fusion 13.5アプリアイコンParallels iconVirtualBox アプリアイコン
動作は比較的軽いインストール不可動作が重い
10.12 Sierra××
10.11 El Capitan×
10.10 Yosemite×
10.9 Mavericks
10.8 Mountain Lion×
10.7 Lion××

Parallelsは、どこか設定をいじればインストールできるかもしれませんが、普通にやったところではいずれのmacOSバージョンもインストールができませんでした。

VMwareとVirtualBoxのインストールエラー回避でいじった設定については、後述の「TIPS」の枠の中をご覧ください。

また、VMwareとVirtualBoxの両方でインストールできる場合は、VirtualBoxは動作が重たいため、VMwareを第一に使うことを強くおすすめします。

VMwareを初めて使う方は、以下の記事でアカウントの作り方のページからご覧ください。

VMwareのインストールエラー回避

VMware Fusionでは、普通にインストールすると図のようにキーボードとマウス(トラックパッド)が認識されないことがあります。

VMware Fusion Mac OS Xインストール時にキーボードとマウスが認識されない現象
VMware Fusion Mac OS Xインストール時にキーボードとマウスが認識されない現象

以下、解決方法です。

仮想マシンの「設定」画面から、アイコン「USBとBluetooth」をクリックします。

VMware Fusion 「設定」

項目「詳細USBオプション」をクリックして、展開表示します。

VMware Fusion 「設定」

項目「USB互換性」の選択内容を”USB 2.0″または”USB 1.1″に変更して、仮想マシンを再起動してみてください。

VMware Fusion 「設定」

VirtualBoxのインストールエラー回避

VirtualBoxでは、普通にインストールするとエラーが出てインストーラが起動できないことがあるので、その場合はメモリをデフォルトの「2048 MB」から「3000 MB」などにアップしておきます。

CPU数もデフォルトの「1」では少なすぎるので、最低でも「2」以上に変更します。

Mac VirtualBox El Capitan インストール画面

さらに、macOSのインストール時に、デフォルトではインストール先の内蔵ディスクが表示されないので、図のようにメニューバーから「ディスクユーティリティ」を起動します。

Mac VirtualBox El Capitan インストール画面

アプリ「ディスクユーティリティ」が起動したら、内蔵ディスクを選択してから、ボタン「消去」をクリックしてフォーマットします。

Mac VirtualBox El Capitan インストール画面

フォーマット完了したらアプリ「ディスクユーティリティ」を終了して、macOSのインストールに戻って作業を続けます。

Mac VirtualBox El Capitan インストール画面
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② シェルスクリプトの使い方

大きく分けて次の3段階の作業があります。

(1) macOSインストーラの入手

▶︎ あらかじめ、前の章の内容をもとにして、DMGファイルをダウンロードしておきます。

Mac Finder

▶︎ ダウンロードしたDMGをダブルクリックして、内容を表示します。

内容は、PKGファイルが1つだけ表示されるはずです。

Mac Finder

▶︎ Finderを使って、PKGファイルをフォルダ「デスクトップ」にドラッグ&ドロップしてコピーします。

Mac Finder

▶︎ 図のようにコピーできたら、次の章に進みます。

Mac Finder

(2) シェルスクリプトのダウンロードまたは作成

▶︎ 前の章の内容をもとにして、シェルスクリプトファイルをダウンロードしてZIPを展開(解凍)します。

ダウンロードする場所は、どこでも構いません。

Mac Finder

あるいは、シェルスクリプトの内容をコピーして、エディタ「CotEditor」などで作成しても構いません。

なおその際には、拡張子は「.sh」にすることと、「実行可能なファイル」に設定する必要があります。

Mac CotEditor ファイル保存の操作画面

▶︎ シェルスクリプトをダウンロードまたは作成したら、シェルスクリプトが表示されたFinderの画面は閉じないでそのままにして、次の章に進みます。

Mac Finder

(3) シェルスクリプトの実行

シェルスクリプトの実行前に、必ず次の「重要」の中の作業を行なってください。

行なっていないと、高確率でシェルスクリプトの実行に失敗します。

重要

シェルスクリプトの実行失敗とデータの誤消去を防ぐために、以下のようなMacにマウントしているデバイス類は全てアンマウント(取り外し)しておいてください。

  • DMG/ISOなどのイメージファイル
  • USBメモリ/外付けHDD/外付けSSDなどのストレージ

マウントしているデバイス類は、Finderの左側の「場所」で確認できます。

Mac Finder

以下からは、シェルスクリプトの実行方法の説明です。

▶︎ MacのFinderで、フォルダ「アプリケーション」->「ユーティリティ」の中にある、アプリ「ターミナル」をダブルクリックして起動します。

Mac Finder

▶︎ アプリ「ターミナル」が起動したら、画面の中にシェルスクリプトをドラッグ&ドロップします。

Mac Finder アプリ「ターミナル」

▶︎ 図のように、アプリ「ターミナル」の画面の中にシェルスクリプトのファイル名がフルパスで表示されたら、キーボードのreturnキーを押下して実行します。

Mac アプリ「ターミナル」

▶︎ 図のように「macOSバージョンを入力」と表示されたら、半角英数の1から6の数字を入力してから、returnキーを押下します。

Mac アプリ「ターミナル」

▶︎ シェルスクリプトが動き出したら、完了するまで数分間待ちます。

Mac アプリ「ターミナル」

▶︎ 画面の更新がされなくなって、図のようにコマンドプロンプトが表示されたら、シェルスクリプトの実行完了です。

Mac アプリ「ターミナル」

▶︎ デスクトップにISOファイルが作成されていることを確認します。

説明は以上です。

Mac Finder
参考資料

このページで実行したシェルスクリプトのログを貼り付けておきます。

長ったらしいので、見る場合は以下のアコーデオンをクリックして表示してください。

MBA-M1-2020:~ yamafd$ /Users/yamafd/Downloads/DL_シェルスクリプト/make_pkg_to_iso_10.7-10.12.sh 

macOSバージョンを入力(以下の1から6の半角整数を入力してから、returnキー押下)
1 = 10.7 Lion、2 = 10.8 Mountain Lion、3 = 10.9 Mavericks
4 = 10.10 Yosemite、5 = 10.11 El Capitan、6 = 10.12 Sierra
2
2 = 10.8 Mountain Lionが入力されました。
created: /tmp/tmp_iso.cdr.dmg
/dev/disk5          	Apple_partition_scheme         	
/dev/disk5s1        	Apple_partition_map            	
/dev/disk5s2        	Apple_HFS                      	/Volumes/iso
/dev/disk6          	Apple_partition_scheme         	
/dev/disk6s1        	Apple_partition_map            	
/dev/disk6s2        	Apple_HFS                      	/Volumes/esd
	Validating target...done
	Validating source...done
	Retrieving scan information...done
	Validating sizes...done
	Restoring  ....10....20....30....40....50....60....70....80....90....100
	Restored target device is /dev/disk5s2.
	Remounting target volume...done
Restore completed successfully.
"disk6" ejected.
"disk5" ejected.
Driver Descriptor Map(DDM: 0)を読み込み中…
Apple(Apple_partition_map: 1)を読み込み中…
disk image(Apple_HFS: 2)を読み込み中…
...............................................................................
経過時間: 14.653s
速度: 499.3Mバイト/秒
節約率: 0.0%
created: /tmp/tmp_iso.iso.cdr
MBA-M1-2020:~ yamafd$ 
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まとめ

アップル公式サイトで、ダウンロードしたDMG形式のmacOSインストーラをISOに変換する方法を紹介しました。

作成したISOは、本文中でも説明したVMware FusionやVirtualBoxで使うことが考えられます。

VMware Fusionで使う場合は、以下の記事が参考になります。

当サイトでは、カテゴリ【VMware Fusion】や【MacでWindowsを使う】の記事を多数公開していますで、ご覧ください。

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