Power PC Macといった古いMacで作成した「HFS(Mac標準フォーマット)」のデータを読み出す方法を紹介します。
HFS(Mac標準フォーマット)のサポート状況
Power PCのOS9から最近のmacOSまでの、ファイルフォーマット形式の対応状況をまとめたのが次の表です。
これを見ると、HFS(Mac標準フォーマット)のデータを読み出すには、
- 読み書きが必要:OS9 〜 Mac OS X 10.5 Leopard
- 読み出しだけが必要:Mac OS X 10.6 Snow Leopard 〜 10.11 El Capitan
ということがわかります。
実際にそれらのmacOSが動いている実機が用意できれば良いのですが、できない場合にはVMware Fusionといった仮想環境アプリを使います。
その他の方法も含めて、このページでは以下に挙げる方法を紹介しています。
macOSの「ファイルフォーマット形式」対応状況一覧
- RW:読み書き可能
- R:読み込み可能&書き込み不可
- -:認識しない
バージョン | APFS | HFS+ (Mac拡張 フォーマット) | HFS (Mac標準 フォーマット) | exFAT | FAT (FAT32) | NTFS |
---|---|---|---|---|---|---|
13 Ventura | RW | RW | – | RW | RW | R |
12 Monterey | RW | RW | – | RW | RW | R |
11 Big Sur | RW | RW | – | RW | RW | R |
10.15 Catalina | RW | RW | – | RW | RW | R |
10.14 Mojave | RW | RW | – | RW | RW | R |
10.13 High Sierra | RW | RW | – | RW | RW | R |
10.12 Sierra | – | RW | – | RW | RW | R |
10.11 El Capitan | – | RW | R | RW | RW | R |
10.10 Yosemite | – | RW | R | RW | RW | R |
10.9 Mavericks | – | RW | R | RW | RW | R |
10.8 Mountain Lion | – | RW | R | RW | RW | R |
10.7 Lion | – | RW | R | RW | RW | R |
10.6.5〜10.6.8 Snow Leopard (注1下記参照) | RW | R | RW | RW | R | |
10.6〜10.6.4 Snow Leopard | – | RW | R | – | RW | R |
10.5 Leopard | – | RW | RW | – | RW | R |
10.4 Tiger | – | RW | RW | – | RW | R |
10.3 Panther | – | RW | RW | – | RW | R |
10.2 Jaguar | – | RW | RW | – | RW | – |
10.1 Puma | – | RW | RW | – | RW | – |
10.0 Cheetah | – | RW | RW | – | RW | – |
OS 9 | – | RW | RW | – | RW | – |
End of list |
仮想環境アプリ上でHFS対応のmacOSを使う
先に書いたとおり、HSFに対応しているのは、
- 読み書きが必要:OS9 〜 Mac OS X 10.5 Leopard
- 読み出しだけが必要:Mac OS X 10.6 Snow Leopard 〜 10.11 El Capitan
なので、対応しているOSを以下①〜③のような仮想環境アプリで動かします。
- ① VMware Fusion(無料):そこそこ安定して無料でイチオシ
- 入手方法リンク:macOS用VMware Fusionの無償版を利用する
- ② Paralleles Desktop(有料):安定性や世間の評価は一番
- 製品情報リンク:Parallels公式サイト
- ③ VirtualBox(無料):ちょっと不安定
- アプリ情報リンク:VirtualBox公式サイト
これ以降は、①のVMware Fusionを使った方法を紹介します。
macOSは、ネットから10.7 Lion以降のOSのインストーラが入手できますので、それを使って仮想環境アプリ上でmacOSを動かします。
おすすめは、10.9 Mavericksです。
おすすめする理由は、フォルダ名やファイル名の文字化けも起きない、加えてそこそこ安定していて動作が軽い、といったことで使いやすいからです。
なお、10.9 Mavericksは、HFS(Mac標準フォーマット)の読み出ししか出来ませんが、読み出しだけできれば実用上は殆どの場合は問題ないのではないでしょうか?
以下の画面は、VMware Fusion Player 12上で10.9 Mavericksを動かして、USBメモリのHFSのデータを読み出しているところです。
以下のように、Windows用のVMware Workstation Playerでも同様でした。
ということで、以下のリンク先でmacOSの入手方法以降の手順について詳しく説明をしているので御覧ください。
仮想環境アプリ上でUbuntuを使う
仮想環境アプリ上でUbuntuを使って、HFS(Mac標準フォーマット)のデータを読み出すことが出来ます。
Ubuntuは、以下のリンク先で入手できます。
ただし、日本語がフォルダ名・ファイル名に入っていると文字化けするので、そこだけ注意してください。
なお、テキストファイルの中身は文字化けしません。
以下の画面は、VMware Fusion Player 12上でUbuntu 20.04.1を動かして、USBメモリのHFSのデータを読み出しているところです。
ディスクユーティリティでディスクイメージ作成
今回の記事を書くにあたってネットで調べたところ、Macの「ディスクユーティリティ」でHFSボリュームからディスクイメージを作成して読み出す方法を見つけました。
とても詳しくて親切丁寧な説明ですが、私が実際に確認したところでは、この方法で文字化けなくHFSデータが読み出せたのは10.12 Sierraだけでした。
それ以降の10.13 High Sierraからは文字化けが直らなかったり、ディスクイメージ自体が作れないという現象がありました。
よって、参考までにここに記載しておきます。
コメント
はじめましてこんにちは通りすがりのものです。
自分もいろいろやってみました。
古いMacを持っているので、実際は困らないのですが
M1Mac Big Sur 単体しか持ってない場合どうしたらいいのかやってみました。
Sheephaverの仮想環境で読み込めました。
まず、M1Mac Big Sur上でサードパテー製のアプリ(私が利用したのはAnyToISO)で読み込めないCDのISOファイルを作成、できたISOイメージはBig Surではマウントしませんが
これをSheepshaver上のOS9ではマウントされ読み取れました。